Linux Distro マニアが選ぶ面白いOS
この記事は、慶應理工アドベントカレンダー2021の9日目の記事です。
KCSの先輩@yapatta_progさん企画のアドベントカレンダーに一筆書かさせていただきます。
初めまして。理工学部物情科B2Kanadeと申します。普段はKCS(Keio Computer Society)というサークルでAI班に所属して機械学習の知識、実装技術の研鑽を積む...と見せかけて一人で勝手にOS周り、低レイヤー帯を弄っています。最近はLinuxについて本格的に勉強を始めたりしてます。
さて、秋学期に入り、唐突にLinux沼に突っ込んだ私はDistroWatchを参考に片っ端から色々なディストリビューションを試してきました。中古パソコンにインスコしたり、外付けSSDにインスコしてメインPCで実行したり仮想環境を使ったりしました。今回はこの機会に試したDistroをまとめていこうと思います。
使ってみたDistro
使ってみた、とは言いましたが仮想環境にとりあえず入れただけ、みたいなDistroもあるので、実際にOSとしていじったDistroは太字にします。
Debian系
Ubuntu, Xubuntu, Lubuntu, Kubuntu, Ubuntu Budge, Ubuntu studio, Linux Mint, antiX, elementary OS, Zorin OS, Pop!_OS, Q4OS, MX Linux
RHEL系
Fedora, CentOS
その他(Arch系、OpenSUSE系、独立Distro, not Linux)
Alter Linux, Regata OS, Puppy Linux, Mageia, FreeBSD, Haiku
まとめてみました。手あたり次第入れてたのでもっと入れてたような気がしていたんですけど思ったより選んで入れてたみたいです。特にREAL系DistroはFedoraとCentOSしかいれてなかったのは自分で驚きました。確かにいざRHEL系のDistroの名前出せと言われてもあんまり出てきませんね。Rocky Linux, Miracle Linuxくらいでしょうか。どっちもCentOS 8の後釜を狙ったOSです。
おすすめのLinux Distro3選
と、このようにちょっと多めにLinux Distroを触ってきて、それぞれに個性がある十人十色なOS達を知りました。一つ一つ話してもいいのですが、文章がとても長くなってしまうので3つに絞って紹介していきます。
初心者に超お勧め WindowsライクのLinux 「Zorin OS」
画像はWikipediaより引用
ここ数か月でLinuxにちょっと詳しくなった自分が初めてLinuxを入れる人にお勧めするOSを選べと言われたらまずこれを選びます。何を隠そう、自分がメインで使っている開発用OSはZorin OSです。
Zorin OSはUbuntu18.04 LTSをベースとしたWindowsライクのLinux Distroです。追加のデスクトップスキン、さまざまなアプリがプレインストールされている有料のPro版、ベースだけで無料のCore版、ロースペックパソコン向けのLite版がリリースされています。
Zorin OSを勧める訳は2つあります。まず、Ubuntu 18.04がベースである、そして、GUI環境において不具合、違和感が少ないからです。
まず初心者はDebian系、特にUbuntu系列のDistroを使うことを進めます。理由はネット上に情報が多い点、またaptが比較的優秀である点が挙げられます。
実際にFedoraを使っていたときの体感なのですが、rpmパッケージの管理ツールが扱いにくく、また、ネット上に情報が少ない、と初心者が手を出すには敷居が高い印象がありました。
ZorinOSはUbuntu系列のDistroな上、他のDistroに比べて細かなアニメーションが凝っていて、ほとんどWindowsと変わらない操作感でLinux環境を使えます。例えば、ウィンドウを消すとき、しまうときなどにシュッッとアプリバーにしまわれるアニメーション。このような細かい配慮が意外と快適な操作感に直結してきます。
最新技術を体験しよう「Fedora」
画像はWikipediaより引用
Fedora(フェドラ)はRed Hatが支援している「Fedora Project」によって開発されているLinux Distroです。Red Hatが企業向けのRHELのみのサポートをすることになってからFedoraはコミュニティ主導での開発になり、より自由に高度な開発ができるようになったそうです。良かった技術はRHELに使われます。
Fedoraはバージョン更新頻度が速い(現在最新はFedora 35)ため長く使い続けるには向いていません。しかし、洗練されたデスクトップ、快適な操作性は試してみる価値があると思います。また、現在銀行でも使われているRHELの操作の練習もできます。Ubuntu, Debian系しか触ったことがない人は一回使ってみるとよいでしょう。
中古パソコンが爆速で生き返る異色Distro「Puppy Linux」
画像は私のFOSSAPUP 64 のデスクトップです。
Puppy Linuxは独自に開発された色々な特徴があるDistroです。パッケージは基本的に「pet」を使いますがUbuntuとのバイナリ互換があるため「deb」パッケージも使えます。依存関係が満たせず起動しないこともままありますが。
Puppy Linuxの特徴はとにかく超軽量、ということです。最新版のFossapup64ですらisoファイルは約700MB、起動時システムをRAMに書き込むという謎技術で中古パソコンでも爆速で動作する。さらにCD駆動時の変更をどこかのパーティションにsaveを忍ばせて保存できる。Frugal installで他のLinux Distroがインストールされているパーティションに寄生できる、などなど、実用的にも技術的にも面白いDistroです。
前述したとおり起動時にRAMにデータを書き込んで使用するのでストレージがなくても使うことができます。Linuxを常用している方は緊急時のストレージデータのサルベージ用OSとして1枚ディスクを作っておくといつか役に立つでしょう。
みんなもLinux、使おう
Linuxは難しい、というイメージは今は昔の話。デスクトップ指向のDistroはWindows, macOSが使えれば問題なく使用できる程度には敷居が低くなっています。インストールが怖い、という人は外付けストレージにインストールする、という技もあったりするので色々調べてみてください。
Let's Use Linux.
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