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【備忘録】ポーの作品を通じて「効果の統一」を教わった話。

本記事は、有料設定にしていますが全文無料で最後まで読めます。


ポーの小説「アッシャー家の崩壊」を解説した番組を視聴した後の感想を綴っています。

私個人の思ったことを、メモとして残しているものになります。

本作品には若干触れている程度で、読書記録ではないので、あらかじめご了承下さい。

興味ある人に読んでもらえれば幸いです。


NHKのEテレ「100分 de 名著」より。

今月は、作家エドガー・アラン・ポーの作品を紹介している。

今回は第二週目「作家はジャンルを横断する」で、「アッシャー家の崩壊」を取り上げられている。


第一週目の感想は下記の通り。

本作品は知らなかったため、番組内であらすじを知ることになった。

物語の初めから、陰鬱として、不気味な雰囲気が醸し出されていた。

朗読や効果音も相まって、話が進むに連れて恐怖も増してきた。



そして……。



「うわ〜!」

恐怖心がピークに達し、思わず悲鳴が上がった。


こ……こうきたか!


結末は、前作とはまた違う意味で予想を外した。


最後まで楽しめた作品だった。


以下は、番組内で話されていた内容の一部分を書き起こしたものになる。

私個人が「そうなんだ!」と感心した部分である。

ポーの文学理論というのを
ご紹介したいんですが…

読者というのは 別に何か教訓を与えられたいから
小説を読むわけじゃ必ずしもないわけで。

その中でも、やはりポーは読者には何か驚きを与えたいと。

効果の統一というのは、一番終わりのクライマックスに向けてそれが効果的になるように、さまざまな伏線を張り巡らしていく。

更に文学作品を読む時間のことまで想定してるんです。
彼の頭の中では1時間なんですよ。
1時間で読みきれなかったら、それは効果の統一を乱すと言ってるんです。

ポーはテレビの番組もない時代に、とにかく1時間ならば視聴者の注意を引きつけられると。
19世紀の前半と思えないぐらい新しいということですね。

理論の根底にあるのも、読んでる人はどう思うだろうかっていう、これ以上長くなったら面白くないんじゃないだろうかっていう想像があるから、1時間なんだと思うんですよ。

大体人が一気に読めるのって、これぐらいでしょって。
これ以上だと何言ってるんだっけ、になるなぁみたいな。

そういう読者や観客がどういう気持ちで、この作品を読むのかっていうところが多分、やっぱり根底に流れてるから。

だから読者と共に観客って考えてるんですよね。

3月14日放送分より。


「効果の統一」は、作家エドガー・アラン・ポーの文学理論の一つとして番組内で紹介されていた。

私なりの解釈になるが、「読み手にワクワク感や驚きといった、印象や効果をどうすれば最大限与える事が出来るかを考えること」だと思った。

効果の統一を体現するために、さまざまな演出や伏線を張り巡らせたり、小説の中に詩を織り交ぜたりといった技術がふんだんに使われているのだ。

その中で上記で記載した通り、ポーは一つの作品を読み終える時間は「1時間」としている。

1時間までなら読み手を引き付けることが出来る、と考え、時間内に読み終えるように作り上げている。


文字だけで、読み手を引き付けて不思議な世界へ誘い、恐怖心を煽る演出にとても感動した。



怖いけど、続きがどうしても気になる。


ある場面で「うわぁ!!」とビックリして声が出てしまったくらい怖かった。

テレビで紹介されていたので、純粋に小説だけを読んで感じただけではないものの、作品そのものが非常に読み応えある面白いものだから、そう思えたのだ。

私が小説を読む時は、あくまで娯楽の一つとして捉えているし、作品の世界観を楽しんでいる。

もちろん、小説を通じて学ぶことや教わること、発見することは多々ある。

とはいえ、最初から「何かを学び取るぞ!」と気合いを入れて読み始めるのではなく、もっと緩い気持ちでページをめくる。

面白い作品だった、と満足することもあれば、いまいちだったな、と思うこともある。



何より。

小説でもブログ記事でも、一定の時間を超えたら離脱してしまう人が多いことは共通している。

序盤で引き付けて、読み手が飽きないように様々な工夫を凝らしつつ、時間を意識した量に抑えるのは、現代の方がより重要視されていると思う。


特に現代はシビアにジャッジされる。
「つまらない」と思われたら読んでもらえないし、発言を誤れば炎上してしまう。

話は少々脱線するが、noteやブログその他のSNSで、ユーザーが自分にとって必要かどうか判断するのに掛ける時間は「3秒」と言われている。

3秒間で読み手を引き付ける、効果的な何かを提示出来なければ、あっという間に離脱されてしまう。

わずかな時間の中で、いかに読み手を引き付けなければ、どんなに作品の出来が良かったとしても気づいてもらえるまで時間が掛かってしまう。

目を向けてくれるような演出が出来なければ、残念ながら作品の存在に気づいてもらえないのだ。



私が書いている記事に、そこまでの工夫や演出が凝らされている訳ではない。

日記みたいな、単調な出来事を載せている日も多い。


現時点で、私の記事には「効果の統一」といった技巧は皆無。

少し考えているのは、
「スマホでスクロールして読んでいる人のことを意識して作成する」

「句読点を使用して読みやすくすることを心がける」

「2〜3分くらいの短い時間で読み切るくらいの量にする」

くらいだろうか。


面白い作品や記事には、作り手の気持ちや想いがふんだんに盛り込まれていることを本作品を通じて学んだ。

ちょっとずつでいいから、読み手に楽しんでもらえるように、試行錯誤しながら書き綴っていけたらいいか、と考えている。


ここまで読んで頂きありがとうございます。
次回の番組を視聴した後にも書くつもりです。

お時間あれば、引き続きよろしくお願いします。

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