「四国オフ・フォトレポート」1日目

 ここまではひたすらソロ旅行をしていましたが、いよいよpogiさん、たのんさんと合流です。

※今回は直島観光がメインで、相変わらずタイピングは出てきませんのであらかじめご了承ください。

■オフ1日目(直島旅行)
 pogiさんとたのんさんは先に岡山駅で合流、港から無事フェリーにも乗れたとの連絡をもらったので、12時35分にフェリー乗り場へ。平日で人が少ないこともあり、すんなり合流できました。

 まずはフェリー乗り場にある赤かぼちゃへ。
 赤かぼちゃは中にも入れるようになっており、穴から顔が出せるようになっているのですが、そこからpogiさんが上半身を出したところ抜けなくなり、危うくpogiさんが直島の現代アートと化すところでしたが、なんとか事なきを得ました。

まだ己が囚われの身であることに気づいていないp氏(左)

 コインロッカーに荷物を預け、レンタサイクルで電動自転車を借りて島の東側へ移動。田舎道を自転車でのんびり走るのはそれだけで楽しいものがあります。

生まれてはじめての電動アシスト自転車にはしゃぐp氏(左)たのんさん(右)

 途中で「家プロジェクト」のはいしゃに立ち寄り(家プロジェクトについては後でまとめて書きます)、昼食を食べにさきほどチェックインした「石井商店」の食堂に向かいます。

石井商店の肉うどん(大)

 僕が注文したのは肉うどんで、サイズは「ちんまいん(=小)」と「でかいん(=大)」がありました。
 ちなみにこの食堂もSummer Pocketsに出てくるスポットで、許可を得て後ほど夜にお店の写真も撮影させていただきました。聖地巡礼にやってくる客も多いようで、チェックインやチェックアウトに関しては少し無理を言ったのですが快く対応していただきました。聖地巡礼を抜きにしても、宿泊してよかったと思える宿です。
 建物自体も大正時代に建てられた歴史のあるもので、田舎のおばあちゃんの家に泊まりに来たかのように落ち着く雰囲気がありました。

 昼食後は、宿の近くにある「家プロジェクト」作品を徒歩で散策。
 「家プロジェクト」というのは、もともと民家があったところを建築家や現代アート作家が手を加えて一つの作品にしたもので、直島では現在7軒が公開されています。今回はそのうち5軒を訪れました。

1.はいしゃ(ツイートの写真1枚目)
 ここは先ほどちらっと書いたように昼食前に訪れたところで、名前の通り元々は実際に歯医者だったところだそうです。レトロな雰囲気の建物のいたるところに写真やらパチンコ屋の自由の女神像やら、コラージュ的に作品が散りばめられているいい意味で雑多な空間になっていて、わいわい話しながら複数人で回るのがとても楽しい作品でした。
 入り口付近のスタッフの方が簡単に案内をしてくれて「そこの写真はロンドンブリッジなんですよ~」と言っているのに対し、pogiさんが「ボンボンブリッジっていうんですか、かわいいですね~」という謎の返事をしていましたが、めんどくさいので特に訂正はしませんでした。

2.角屋
 角屋は「家プロジェクト」第一号の作品で、直島の人たちが参加して設定したたくさんの「数字のカウンター」が水面に浮かんでいます(現代アートを言葉で説明するの難しい……)。
 窓もカウンターになっていて、pogiさんが「このカウンターの数字は横にいる人のkpmを表しているんですね」とか言うので、うまくタイミングを見計らって写真を撮ってあげました。

29kpmを記録するp氏

3.護王神社(ツイートの写真2枚目)
 ここは実際の神社を家プロジェクトとして再生した建築物で、本物の神社を現代アートの作品として作り変えるという試みが興味深かったのでぜひ直接見てみたかった建物の一つでした。
 神社の下には石室があって、実際に懐中電灯片手に奥まで入れるようになっています(ツイートの写真も石室から撮影したものです)。

4.南寺(ツイートの写真3枚目)
 この建物は、家プロジェクトの中では例外的に新築の建物なのですが、元々寺があった敷地だったところから「南寺」という名前だそうです。
 中にある作品「Backside of the Moon」の作者はジェームズ・タレルという「光」をテーマにした作品を多く作っているアーティストで、この後に行く地中美術館でもいくつか作品を見ることができますが、個人的には南寺のこの「Backside of the Moon」が、直島にあるタレルの作品の中では一番気に入りました。
 15分ごとの入れ替え制で、時間になると真っ暗な空間に誘導され(本当に真っ暗なので、壁に片手を当ててそれを頼りに歩くように指示されます)、それから暗闇に目が慣れるまで10分弱、じっと待っているように指示されます。最初は完全に何も見えない暗闇なのですが、こそこそ話しつつしばらく待っていると、目が慣れてきて次第にぼんやり作品が見えてくる仕掛けになっていました。詳細はあえて書きませんが、光を視覚的にも触覚的にも楽しめるような作品になっていて、こういう体験ができるのは旅行で実際に足を運んでこそだなと思います。光を極限まで絞った空間から屋外に出ると外の景色がことさら色鮮やかに見えて、そのあたりも含めて素晴らしい作品でした。
 もともと作品の概要を聞いて面白そうだったので「ここだけはぜひ行きましょう」と言っていた場所だったのですが、結果的に他の二人にも好評なようでよかったです。

5.石橋(ツイートの写真4枚目)
 もともと製塩業を営んでいた商人の家を家プロジェクト用に改装したもので、一通り家屋を見て回ることができるのですが、中でも一番の見所はツイートの写真にある、蔵に描かれた滝の絵「ザ・フォールズ」。絵が反射するように床の光沢が考えられているところが家プロジェクトらしいところでもあるかなと思います。
 本来は庭からも座って作品が見られるのですが、芝生の養生中で残念ながら見られず。いずれまた再訪したいものです。

 最後のあたりは時間の制約もあり駆け足での移動となりましたが、予定よりも多くの「家プロジェクト」作品を見ることができて大満足でした!
(時間がなくて、最後のアンケートが書けませんでしたが……)

 そこからは再び自転車に乗り、いよいよ1日目のメインである地中美術館へ。

 地中美術館には、これまで直島の他の場所でもあったジェームズ・タレルとウォルター・デ・マリアの作品もあるのですが、そもそもこの美術館自体が元々モネの睡蓮を展示するために作られた美術館ということもあり、なんといっても日没の睡蓮が、作品そのものはもちろん、見せ方も含めて素晴らしかった。。。

w.1966-1967

 オランジェリー美術館の睡蓮の大壁画がどうのこうの、みたいな絵にまつわる話は現地でpogiさんに散々語った気がするので割愛しますが、日本国内で晩年の壁画サイズの睡蓮を、ライティングや空間デザインも含めてしっかり見せてくれる場所は他になかなかないので、これだけ力を入れて展示してくれるのは嬉しいですね。睡蓮が好きならここだけでも直島に足を運ぶ価値があると思います。

w.1896

 全部で合わせて5点の睡蓮が展示してあるのですが、pogiさんがお気に入りといっていたのがこの睡蓮の池でした。この時期の作品ではあまり見ないような明るい色彩が目を引きますし、個人的には実物の絵から感じられる水の透明感がとても好きです。

 つい睡蓮語りが長くなってしまいましたが、この他にジェームズ・タレルのオープン・フィールドは光の中に入り込むような体験ができる作品でしたし、ひと目見てGANTZの球体を連想させるようなウォルター・デ・マリアのタイム/タイムレス/ノー・タイムは、あえて直島のローカルさを廃して普遍性を志向している感じが結構好みでした。個人的には"質量の祭壇"みたいな印象です。後は作者の意図から外れそうですが、日本で磨かれた花崗岩(御影石)を見るとどうしても墓石のイメージ(=死)を連想するところがあり、そういう方から考察するのも楽しいかなと思ったりします。
(ここでは真面目に感想を書いてますが、現地では「出ようとするとこの石が転がって出口がふさがってボスが出てきそう」「むしろこの石の中からボスが出てくるのでは」みたいな話をしていました)

 さらに今回は地中美術館でオープンスカイ・ナイトプログラムにも参加してきました。これは金・土の夜だけ開催している予約制のイベントで、ジェームズ・タレルの作品の一つオープンスカイという空が開けた空間に座って、45分間ただ黙ってぼーっと空を見上げるという、考えようによっては大変贅沢な時間を過ごしました。南寺の暗闇もそうですが、直島のタレル作品は時間をじっくり使う作品が多くて好きですね。
 周囲の照明が徐々に変化することで、たぶん補色とかの関係を利用しているのだと思うのですが、空の色が、黄色から紫まで気づかないうちに変化していく様を眺めるのはとても面白い体験でした。
 ありきたりなことを言えば「色の感じ方は相対的なもの」ということなのでしょうが(マンガの『ブルーピリオド』とか思い出します)、むしろ感覚としては、うまく言葉にできないですが、一つの空の色の中に、いろいろな色のスペクトルが含まれている様を体験しているような感じを受けました(こういう表現の仕方が科学的に正しいのかわかりませんが)。
 オープンスカイのプログラム、一つだけ難点を上げるとすれば、ずっと上を見ているので首が痛くなることですかね……もう少し背もたれに傾斜があると楽に見られるのにとは思うのですが、多分あれで寝転がって見られるようになってしまうと寝てしまう人が増えるんでしょうね(あとは完全に上を向いていると周囲の光が視界に入りづらくなって、色の変化がわかりにくくなるのかも?)。

 作品の余韻を味わいつつ、スタッフの方の話も聞きながら、閉館後の美術館を通って外に出るまでの時間も楽しくて、空が開けた場所ではオープンスカイの余韻でついつい空を見上げてしまいました。

 その後は自転車を返却、レンタサイクル店併設のレストラン(Little Plum)で夕食。

 元々は別のレストランを予定してたのですが、pogiさんが興味の惹かれた様子だった(お店のお姉さんが美人だった)ので急遽このお店にしました。こういう予定外の縁があるのも旅の醍醐味ですね。実際、美味しいお店でした。

 夕食後、コンビニに寄ってから銭湯へ。ここも建物自体は直島アートプロジェクトの一貫ではあるのですが、中に入ってみると洗い場と大きな浴槽一つという昔ながらのレトロな設備で、客層を見ても地元の方に親しまれている銭湯という感じでした。
 ゆっくりお湯に浸かるのが気持ちよく、油断していたら最終バスに乗り遅れそうになりましたが、なんとか間に合ったので宿へ向かいます。

 宿ではせっかくなので、Summer Pocketsの画面に実物を並べて撮影して遊んでました。
 後はせっかくなので夜に、周辺を少し散歩しました。最初は軽い肝試し感覚で近所の八幡神社参道あたりを歩きましたが、最終的には暗闇の中できれいな星を眺めて終わりました。

 その後は一応、持ってきたカードゲームをプレイしたり、持ってきたPCとキーボードでタイピングをしたりしましたが、翌朝も早いので午前1時頃には就寝しました。

「2日目」へ続く。

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