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ソラノカナタ アナタノカケラ episode.0.1

episode.0.1

【このせかい       〜手記より〜】


わたしが忘れてしまう前に
いくつかここへ記しておきます。
わたしが"いま""そこ"にいない以上、たしかめようのないこともあります。
ただの読み物として読んでください。
忘れてしまってもかまいません。

まずはじめに
あなたが探している『誰か』にはきっと会えます。この手記をあなたが読んだことが
その布石となります。
物心ついた頃から いつも寂寥感があったことでしょう。
それは 探しているひとと…………"彼"と出逢えれば自然と消えますし
出逢えたのちに(たとえお互いがまだ そうとは気付かないとしても)この手記があなたの前に現れるように 設定をしています。
そして ともに生きる道への道標となるでしょう。


前書きが長くなりました。
伝えたいことがありすぎて
どこから記せばよいのか 迷います。


では

このせかいを 宇宙と称したとき
そこには いつから  いのちがあったのか?
どこから始まったのか?  

わたしに わかっているのは

いくつかの星があり 次元があり
いくつかの種族がいて
気まぐれにカタチを変え
気ままに 住む星も変えていたこと。
"時"の単位が曖昧なため 時間は光と同じで 
ただ有り、ただ流れているだけ。


━━━宇宙のどこからか 行くあてもなく流れ続ける 無数の数式のように。

[偶然生まれた"THE ONE"という存在が
ひとりでは退屈すぎて 遊び相手やおもちゃがほしくて自慰行為の末にぶちまけられた無数の体液と電子から 意志と星が生まれたのさ]

ある旅人が 
ことの始まりを そう評していました


意思は 生存欲求へと進化し
カタチを動かす ソレの動力はやがて"いのち"とも呼ばれました。
いのちの意味  その価値はそれぞれに違い
生まれるのも消えるのも  蒸気や泡沫のように
ただ現れ消えていくだけ……
『なんの意味も持たない』という価値観もありました。


カタチの"中身"……………動力とは違う フィラメント状の電子体は「たましい」と名付けられ、
科学的に存在を証明されてはいいましたが……

それはしばしば
いたずらに 好奇心の対象となりました。



わたしたちには呼称はなく……

なぜなら わたしと"彼"は いつも伴にいて
自分以外はすなわち相手のことをしめしていたから
呼称を必要としませんでした。

このことは 後々 長い時間、影響を及ぼします。

…………悪い方へとね。


星の名前と特徴も記しておきましょう。
わたしたちと関わりの深い星々にしぼります。 
あくまでもわたしの主観であり、必ずしもすべてが"そう"ではありません。
思い込まないでください。
思考を広く やわらかくしていてください。

LYRA  
リラ、ラィラ、ラィヤ
……穏やかでやさしい人々のほし
"愛'という概念はこのほしの人々から生まれて広まった。
忍耐強く 奉仕の精神が強い。
常に淡い光りに包まれている。

SIRIUS    
セィリウス 、シリウス
……冷静で品格を重んじ、正義と慈愛の人々のほし
思慮深く、直感力、科学力、芸術性に優れている。
水が多く 大気は水溶性の性質を持つ。
(後に、シリウスにもAとBがあることがわかりますが、いまは割愛します)
シリウスも 多くの人が通る。

ORION(ORIONS)   
オリオン、オルィオン、オライオン
……通称AとBと呼ばれる 二連星のほし
好奇心と欲求が強く、特に威力や支配に関して執心する。
科学力に特化していて、それを試したいがために戦闘を好むひとが多く 
それは 時に 残酷なほど純粋な力比べ、好奇心、また正義であることも。

ARCTURUS    
アルクトゥルス 、アルクタゥラゥス
……高貴で品格の高い古い歴史のある(といわれている)人びとのほし
各星に存在する多くの人々はこの星での暮らしをしたことのあるものが多い。

PLEIADES
プレアデス 、プレィアデス
……  星の中でも最も古いといわれている連星群。
他の星星の代表的存在で 連邦組織の中心。
(オリオンは 連邦組織の軍事部隊でもあった)
ほぼすべての人びとは このほしで生きたことがあり。

VEGA
ベガ、ヴェーガー
……リラのように愛と緑にあふれる星。
人びとは生き生きとしていて 『生命力』という概念はこのほしの人々から生まれたのだろうと思う。
リラとは姉妹のような星。

ALDEBARAN
アルデバラン、アルデバァラァン
…………忍耐強く、こつこつとものごとを続けていくことの得意な人びとのほし。
芸術性、特に建築が得意なひとが多い。
面白い人も多く、『ユーモア』はこの人たちから広まっていったのかもしれない。



記しておきたいことはまだたくさんありますが
時間がもう あまりなさそうです。

いま これを読むあなたがそうであるように
わたしに浮かぶ言葉やビジョンが
これからのことなのか
思い出しているのかは わかりません。
わたしとあなたの 時間軸、次元がわからないのです。
ただひとつ言えることは
これを読むあなたはわたしであり
わたしはあなたであるということ。
あなたも  あなたへと連綿と連なる数々の"わたしたち"のビジョンを視ていることでしょう。

あなたはわたしの未来でもあり
わたしはあなたの還る姿でもあります。

わたしがこの先どんなに彼と離れたとしても
あなたが再び彼とともに生きられるならば 
それがわたしの  さいわいです。
あなたからの しあわせな姿がビジョンとして視えています。
だから辛くはありません。
彼にはまだ わかれについては話してはいませんが
伝わってしまっていることでしょう。

わたしと彼は………
『あなたと彼』は かならず呼び合えるから 心配しないで。

わたしはできる限り わたしと彼のことを わたしの中に刻み込んでおきます。
わたしがもしも 粉々になったとしても
そのかけらは粒子音となって 
"あなた"となったわたしの核へと引き寄せられていくでしょう。
だから音を集めて オルゴールを 鳴らしてね。


わたしへ。
愛をこめて    あなたより。



追記

彼が愛おしんでくれた わたしの髪の色を
あなたの情報のなにかに遺します。









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