「不安」は適宜、じぶんで解消する手段を持つ
むかし、職場の同僚の女性で、何度も何度も特定のタロット占い師さんのところへ通っている方がいました。
「なぜそんなに、その占い師さんのところへ行くの?」
と、ある日聞いてみたのです。
そんなに足繁く通う、ということは、ものすごく当たる占い師さんなのかなぁ!と、興味津々でした。
ただ、彼女の返事は、
「自分1人ではいろんなことが不安で不安で、誰かに聞いてもらわないと落ち着かないから」
と、いうものでした。
当時の彼女は30代半ば、家で病気がちな自分のお母さんの介護をされていて、独り身で、とても将来が不安だ、と、そのあと、付け加えていました。
そのとき、私はまだ二十代だったのと、大変なんだなぁと思ってうまく切り返せずに、「あー不安になると占いに行きたくなりますよねぇ」って小さく返事をしていました。
そのときは、それ以上深く考えることもなかったのですが、今思えば、占いにはそういう、「不安な時に心を鎮めたい」という、その思いに応えられる何かが、あるのかもしれません。
いや、占いに限らず、食べ物やお酒にもそういう力があるし、友達や恋人、家族などの人間関係に寄りかかることでそれを鎮めている場合もあるので、一概に占いだけ、とは言えないのですが。
当時、わたしも恋愛で不安なことがあったときにタロットカードの1枚引きをよくやっていて、良いカードが出れば喜び、悪いカードが出れば凹む、という、
思い返せば、ちょっと微笑ましくも「何やってんねん」という日々を送っていたので、
占いに頼りたくなる気持ちはけっこう分かるのです。
でもいま、40代に突入して思うのは、不安は適宜、自分で解消する手段を持つことが望ましい、ということ。
特定の人や場所、物などにずっと依存し続けて、自分を見ないようにしていても、ずっと不安なままになってしまうし、日々のなかで自分を感じられないことは、周りの人や状況を巻き込んで問題を大きくすることもあり、より不安感が増すような気がします。
なので、毎日、プチ毒吐きするのがいいのかなと今は思っています。
さいきんは、言葉を書くこと、絵を描くことも、すごく効果的だなぁと感じています。
今の不満をとにかく紙に書きまくる、あと、不満を出しまくったあとは、なりたい自分像の絵を描く、などが、すごく客観的に見れて良いです。
この、自分で書く(描く)というのが、いいなぁと。
バカヤロー!とか、こんな私がキラキラしてて素敵、のように、両極端な自分が出てきますけど笑
でもそれをきちんと受け止めて、スッキリしたら、自分を大事にしてあげられると思うのです。
どこかのファンタジーのように、一瞬で不安を消してくれる魔法は、ないのですよね。
だから毎日、毎日、ゆっくり、きちんと、自分の主張を持って丁寧に生きる以外に方法はないように思います。
先日、魔法を日常のなかに、なんて書いておいて、身もフタもないことを言っていますが、私が考える魔法は、自分で引き起こす、現実を変えていく化学反応のようなもので、
魔法使いに自分の全てを預けて、唐突に授かるパワーのようなものではないと思っています。
だから占い師は、本当の自分に気がつくためのお手伝いをして、化学反応を起こして日々を変えていくヒントを伝える、そんな役割のように考えています。
毎日、自分がどうしたいか、嘘をつかずに行動できていたら、現実を受け入れて、そこで自分を生かすことができるんだと思います。
私が私であること、
常にそれこそが、生きる実感を毎日のなかにもたらすものだと思うのです。
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