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HATA MOTOHIRO CONCERT TOUR 2023〜Paint Like a Child〜全20曲の感想。

1.Paint Like a Child
秦さんにとってやりたいことを詰め込んで、子どものように自由につくったというこのアルバムのタイトルチューン。
"もっと自由になれるよ"
"解き放つ 時代"
"今を壊した先にあるもの"
この3年間、縛られてきたことから解き放たれつつあるこの時代にとてもマッチする歌詞に、秦さんの歌声も相まって、自由の大事さと尊さを感じた1曲目だった。

2.色彩
秦さんのシンガーソングライター人生において、初期につくられたこの曲。
"描き出すよ 新しい世界を"
"悲しいほどに続く景色を拭え"
人々が悲しく、辛い思いをしてきた3年間から、変わろうとしている今。15年以上前につくられた曲にも関わらず、現代にも通じるこの曲。秦さんにとっても、私たちにとっても大きな転換点となったPLCツアーで聴くことができたことにとても大きな意味があったのではないかと感じる。


3.Girl
まさしく子どもに向けたこの曲。私は今、ちょうど子どもと大人の境目にいる。成人し、一人暮らしをしている。秦さんの人柄が前面に出た優しい歌詞と歌声。私は一人暮らしをはじめてから、この曲を聴くと、自分の親にこう思われてたらいいなと感じる。
"ふたりは ひとつの時を同じだけ重ねる"
"出来る限り たくさんの場面を覚えていたいよ"
秦さんと満員のお客さんと同じ時を重ねたあの時間は本当に幸せで、ずっとずっと覚えていたいと心から感じた。


4.2022
この曲は、私が秦さんの書く歌詞が好きな理由が明確になった曲だ。その理由とは「ネガティブな言葉とポジティブな言葉が1曲の中で上手く共存している」こと。この曲でいえば、
"ミサイルも 鳥も 同じ空を飛んでる"
"明日 君に会えたら どんな話をしようか
出来るだけ 他愛ない話題がいい"
社会風刺的な曲は今の時代たくさんあるが、秦さんの歌詞は社会風刺だけではなく、「こんな世の中だけど、一緒に生きていこうね」と寄り添ってくれているような気がする。
自分がどんなに辛い時でも、秦さんの音楽だけは変わらず聴き続けることができている理由はここにあるんだなと気付かされた。

5.dot
色彩と同様、初期につくられた楽曲。
"ねぇ 話しかけてみたい 僕に何が出来るというの"
"僕は小さな点でいい"
今まであまり気にしたことがなかったが、この曲もネガティブとポジティブが共存していることに生で、この曲順で聴いたからこそ気がついた。
私には何も変えられないかもしれないけど、どんなに小さいことかもしれないけれど、とりあえずやってみようよと勇気をくれる曲。
"それでも僕は言うよ 空に「僕らは世界になるよ」"
ここを力強く歌い上げる秦さんにこれからも音楽で生きていくんだという強い覚悟を感じた。


(NHKホール公演以降、6曲目は鱗だが、私の参加した福岡公演での曲順で書くことにする。)

6.残影
絶望を描いたこの曲。
"あきらめられたなら いっそ 楽になれるのに"
人間なら誰しも持っている心の弱さを感じる歌詞と秦さんのファルセットに惹き込まれていく。
絶望だけを描いてるのではなく、その絶望の中にあるかすかな"光"まで描く秦さん。どれだけ絶望する出来事が起きても、生きていればなんとかなる。これからの人生で絶望するようなことがあった時、この曲をお守り代わりに聴こう。生で聴いたことによりさらにそう感じた。


7.やわらかな午後に遅い朝食を
自分の情けないところをさらけ出すような歌詞とアコースティックでゆったりとした曲調。次の太陽のロザリオと通じる部分があると感じていたから、2曲連続で聴けたことは本当に嬉しかった。
"この所 崩れがちだった空にも
滅入ってく理由はあるんだけど
何より余りに 僕が変われないでいたこと
それに 慣れてた自分が 嫌だったんだ"
私にもこんな経験があるし、今この文章を読んでいる人の中にも経験したことがある人がいるんじゃないだろうか。秦さんは、「私もそんな経験したことある!」と共感できるような歌詞が多いから、みんなに愛される楽曲が多いのだと思う。

8.太陽のロザリオ
「やわらかな午後に遅い朝食を」と同様、人間の弱い部分がストレートに描かれている曲だと思う。
"もう嫌になるよ 生きるのが下手でさ"
"選んできたのが 他の誰でもなく自分だって
気づいてるからこそ 余計に悔しいんだ"
自分自身のことが嫌になることはあるけど、それは自分の中に留めておく感情であって、他の人に話すことはない。だからこそ、独り言のように、でもみんなに届けようと歌う秦さんを見て、もう泣かずにはいられなかった。


9.在る
この曲も人の弱さがすごく表れている曲だと思う。
"思いたいだけかな"
"信じていいかな"
"信じていいよね"
サビの終わりの歌詞。全部断定はせずに疑問系にしている。そうだと決めつけないところが、あまり自信はないけど、これが正解だと思いたいという表現でもあり、秦さんの根っからの優しさでもあるなと感じる。


10.Trick me
騙し騙される関係の2人を描いた楽曲。大人の色気を感じる一方で、同じコードを繰り返す中でメロディが変わるという曲であることだったり、コーラスにmahinaさんを呼んだりとまさに、子どものように音楽を楽しんでいる曲だなとも感じていた。そのギャップがこの曲の好きなところでもある。
生で聴いたのは初めて。
"Trick,Trick me babe"
のところ、原曲では地声とミックスの間?という感じだが、私が行った福岡公演では、途中で裏声にして、秦さん自身が歌いやすいように変えていた。自分自身の喉と向き合って、変えるという判断をしたことは英断だったのではないかと思う。


11.Raspberry Lover
あの最初のアレンジがとにかくカッコ良すぎた。口が開いて塞がらないくらいに。大人のドロドロっとした恋愛を描いた曲。初めて秦さんの曲を聴く人におすすめするなら絶対にこの曲。
特に、
"一瞬 目配せして 微笑んだ あれはなんだったの"
ここの秦さんの表情、低音、カッコ良いという表現では収まりきらないくらいに、圧倒された。


12.Dolce
秦さんの曲は比較的、シンプルでわかりやすい言葉を歌詞にした曲が多いのだが、この曲に関しては、
"洒脱な店"
"1瞥を"
"螺旋の中"
など、少し難しい言葉も入っているが、そこに「大人」を感じ、秦基博という男の「色気」を感じる。
Trick me、Raspberry Lover、Dolce
この3曲の感想全てに「大人」や「色気」という言葉を使ったが、全てに共通することは、5年以内に描かれた曲だということだ。秦さんが年齢や経験を重ね、大人になったからこそ描くことができ、歌うことができる曲なのではないかと思う。

13.Life is Art!
ライブで歌うことを意識して描かれたという曲。この曲の前のMCで秦さんは「持っている人は好きな色で」「持っていない人も大丈夫」と言った。
秦さんのライブでの光り物は初めてで、戸惑っている中のこういった呼びかけはありがたかった。持っていない人に向けてのフォローも忘れない。そこに秦さんの気遣いと優しさを感じた。
サビで、左右に腕を振る。2公演目ということもあり、ライトバングルを持っている人がすごく多かったわけではないが、それでもとても綺麗だった。
(この曲だけ、曲ではなく、ライトバングルの感想になってしまった、、、笑)

14.キミ、メグル、ボク
「出会いと別れ」そして純粋な恋を描いた曲。
"すぐさま僕は 君のもとへ飛び出していくのさ"
"君が好きだよ"
Raspberry Loverなど、大人の恋とは違った若さ溢れるストレートな歌詞。
この対比を感じられたのがとても嬉しかった。

15.あそぶおとな
"幼い子どもが描いた落書きのイメージなんだ"
この歌詞を聴いた時、単純にPaint Like a Childだと感じたのだが、実際Paint Like a Childの歌詞と比べてみると、
あそぶおとな
"遊ぼう 自由に 壊そう 今を 何でもありだよ"
Paint Like a Child
"今を壊した先にあるもの"
どこか似ている。自由に遊ぶことが子どものような作品をつくりだすことに繋がるのかなと感じた。


16.ひまわりの約束
秦さんの「良かったら歌ってね」の声掛けがあった。私は秦さんの、声出しOKなライブが初めてだったのもあり、最初は少し躊躇したが、秦さんに届くといいなという一心で歌った。
"そばにいること なにげないこの瞬間も 忘れはしないよ"
そばにいられることも当たり前ではなくなった日々だったけれど、それを乗り越えて、お客さんと一緒に歌えて、コロナで失われた3年間が報われたような気がした瞬間だった。


17.鱗(うろこ)
"Oh 君に今 会いたいんだ 会いに行くよ"
今読んでくれている皆さんにとって、君という存在は人それぞれだと思うが、私にとっては紛れもなく秦さんだった。受験と重なったこともあり、Green Mind2021以降、秦さんは様々な場所で、様々な形で歌を届けてくれていたが、それを聴くことが中々叶わない日々だった。
決して絶好調とはいえない喉、そして17曲目。しかし、この鱗のこの歌詞を、今の秦さんの全力の歌声で聴けたこと。嬉しくて思わず涙がこぼれた。


18.イカロス
本編最後、喪失を描いた曲。
"消えそうで 消えそうで
思い描いてみるけれど うまくいかなくて"
"消えないで 消えないで
目覚めた今が夢だったら よかったのに"
"燃え尽きてもいい あなたに届くなら"
普段ギターを持っている左手で、普段歌っている時にあまり感情を表に出さない秦さんが、左手を使い、まさに燃え尽きるような覚悟で届けてくれた。そんな姿を見て、思わず鳥肌が立つ。曲が終わった後もしばらく動けず、呆然としていた。それほど、迫力があり、感動した。


19.サイダー
メロディやサウンドはは可愛らしい感じ、だけど歌詞が今の自分にグサグサ刺さる曲。
"誰かのようになりたいな"
"誰かのようにはなれないな"
この曲もネガティブな感情から曲が始まっている。しかし曲の最後には
"僕のすべてで 楽しまなきゃ"
とポジティブに終わる。何回も書いているが、私が秦さんの書く歌詞が好きな理由はこれだ。
いろいろ辛いこともあるけど、それが生きてるってことだよ。人生楽しんだ方がいいじゃん。というメッセージを生で聴いたことでダイレクトに感じた。


20.泣き笑いのエピソード
いよいよ最後の1曲。
"笑顔をあきらめたくないよ"
この歌詞に何度助けられてきたか分からないくらいこの曲にはお世話になっている。
挫折が自分自身を強くしてくれるんだよと教えてくれる。
アンコールでサイダーと泣き笑いのエピソードをあんなに優しい声で歌われたらもう頑張って生きるしかない。次に会いにいけるまで、どうにか生き延びなければと感じさせられた。


文章まとまらなくて、めちゃくちゃ長くなってしまいました、、、
ここまで読んでくれた方いたら、ありがとうございます。
自分の勝手な解釈なところもあるので、そこはご理解いただけたらと思います、、、。

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