おかしなゆめがたり

夢を、記録してみる。
昔から、不思議な夢ばかり見る。
朝起きて、思い出してみると、
「これが夢として表現されているのかな」
と思い当たる節はあるのだけど、
それにしても、その表現方法が独特過ぎる。

昨日見たのは、マムシに食べられる夢。
時期はおよそ、小学生か中学生なのだけど、
友だちが数名家に遊びに来るところから
夢は始まった。

その内の1人と、「今度は2人で遊びたいね。」
という話になる。明日はどうかと天気予報を
見るが雨。「晴れの日が良いね。」と合意し、
次の晴れた日に遊ぶ約束をしていた。

約束をした翌日、今度は別の友だちと一緒に
下校することになる。いつもと違うルートで、
こんな道もあるんだと思いながら付いて行くと、
急に家の裏の塀みたいな場所を歩かされた。

こんなところ歩くの?と思いながら恐る恐る
下を見てみると、雑草の中にありえないくらい
大きな蛇や、マムシがうようよと動いている。
うそでしょ。これ落ちたらどうなるのよ…

と不安に思っているのもつかの間、なんと
前を歩いていた友人たちが、ぴょんと塀から
飛び降り、(マムシのいる)雑草の上を平然と
歩き始めた。うそでしょ。

「はやく~~~」と手を大きく振りながら
友人が呼びかけるので、意を決してわたしも
ぴょんと塀から飛び降りてみる。
するとマムシはサーッと隅に身を隠した。

なんだ、平気じゃないか。
と思いしばらく談笑していると、
腕にスーッと冷たい感覚が伝わってきた。
え?もしかして?恐る恐る腕を見ると、
さっき居なくなったはずの
マムシが自分の腕に巻き付いている。

どうしよう。と思った瞬間、
マムシは自分の腕をパクっと咥え、
その腕はみるみるうちに赤く腫れあがった。

どうしたらいいの!?動揺するわたしに、
塀の向こうから家主の方が声をかけてくれた。

「こっちへおいで。」
言われるがまま家へお邪魔すると、
お母さんらしき人と娘さんらしき人がいて
「マムシに食べられちゃったらしいよ。」
「あれは有毒だからね。」
「どうなるんだろうね。」なんて会話をしながら
薬らしき物を用意してくれているのが分かった。

「はいこれ。」と言って、薬らしき物で湿らせた
手ぬぐいをわたしの腕にぐるっと巻いてくれた。
「一応ね、これ薬。治るか分からないけど。」
とお母さんらしき人が言う。

治らないってどういうこと?
治らなかったらどうなるの?死ぬの?
遊ぶ約束しちゃったのにどうしよう。

不安という不安が脳内を駆け巡った。
そんな不安をよそに、お母さんらしき人は
どこかへ行ってしまたが、娘さんらしき人は
何故か側にいてくれた。

風が吹いて、娘さんらしき人の首にかかっていた
紙のカードがバサバサッと揺れる。
「それ…」とわたしが指をさしながら尋ねると、
「ああこれ?スタンプカード。」
と少し面倒臭そうに教えてくれた。

「仕事するとね、押してもらえんの。」
どうやら、カードに押されたスタンプの数に
応じて給与が支払われるシステムらしい。

「この仕事は沢山スタンプ押してもらえる。
これはそんなに押してもらえないけど、
楽しいからさ。続けてんの。」

そう言いながら少しけだるそうに、それでいて
軽やかに、フッと笑う横顔が素敵だった。

帰ったら、この腕が、そして自分が、
この先どうなるのか調べてみよう。
そもそも帰れるのか分からないけど。

ここで夢は終わる。
一体何を、表現しようとしていたのだろう。




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