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黄色い落ち葉の道

二十歳くらいの時、3ヵ月ほど県外に住んでいた時期があった。アパートから繁華街へと行く道の途中にイチョウ並木があって、晩秋の寒々とした空気の中、落ち葉をまきあげながらよくチャリで突っ走ってた。イヤホンして、GOING UNDER GROUNDのアルバム「かよわきエナジー」を聴きながら。

「かよわきエナジー」を聴けばあの時の、落ち葉のまいあがってる感じを思い出す。寒くて息が白くなったのを、あの頃の不安定な気持ちを、ワケもない焦燥を、どこにもたどりつけない閉塞感を、アスファルトが見えないくらい黄色くなった道を疾走しながら私は、ここではないどこかへ行きたかったんだ。

「かよわきエナジー」はセンチメンタル。晩秋と孤独な若者にはうってつけ。

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