『日本の残されし民より未来の全人類(選ばれし民)へ』 シリーズ『出エジプト記』に読む神のご計画 第四章 ②


『日本の残されし民より未来の全人類(選ばれし民)へ』 

シリーズ『出エジプト記』に読む神のご計画 第四章 ②

モーセの召命と使命(2) - 牧師の書斎

『“神に召された一人の偉大な指導者”が誕生すると
奴隷状況にあった一つの民族が解放されて、神の使命に生きる偉大な民族と変わりゆきます。

その最初の選びがイスラエル民族にありました』。

4.  モーセの召命と使命(2)その2

2. 4章24節~26節の理解

4:24

さてモーセが途中で宿っている時、主は彼に会って彼を殺そうとされた。


4:25

その時チッポラは火打ち石の小刀を取って、その男の子の前の皮を切り、それをモーセの足につけて言った、「あなたはまことに、わたしにとって血の花婿です」。


4:26

そこで、主はモーセをゆるされた。この時「血の花婿です」とチッポラが言ったのは割礼のゆえである。

イスラエルの割礼
  • 出エジプト記4章でひときわ印象深い箇所が、24節~26節の箇所です。モーセを召し出された主がエジプトに向かう途中で、モーセを殺そうとされたということをどのように理解すべきかということです。

  • ここだけの箇所を読むだけでは正しく理解することはできません。

しかし、妻のチッポラは事の重要性を悟りました。なぜモーセの妻が事の重要性を悟ることができたのでしょうか。彼女は自分の息子の包皮を切り取って割礼をしたのです。この息子とは誰のことなのでしょうか。

  • 20節を見ると、モーセは妻や息子たちを連れて、エジプトの地へと帰って行きます。「息子たち」と複数です。しかし妻のチッポラが割礼を施したのは「息子」で単数です。

4:20

そこでモーセは妻と子供たちをとり、ろばに乗せて、エジプトの地に帰った。モーセは手に神のつえを執った。

  • モーセには二人の息子がいたのです。出エジプト記18章3、4節を見ると、そのひとりの名は「ゲルショム」、もうひとりの名は「エリエゼル」です。

18:3

そのふたりの子とを連れてきた。
そのひとりの名はゲルショムといった。

モーセが、「わたしは外国で寄留者となっている」と言ったからである。


18:4

ほかのひとりの名はエリエゼルといった。「わたしの父の神はわたしの助けであって、パロのつるぎからわたしを救われた」と言ったからである。

長男の「ゲルショム」はモーセが40歳でチッポラと結婚して与えられた子です。

「エリエゼル」は40歳から80歳の間に生まれた子ですが、年齢は不詳です。おそらく、この次男の「エリエゼル」がなんらかの理由で割礼を施されていなかったと考えられます。

シナイ契約

割礼は神とアブラハム、およびその子孫との間に交わした契約のしるしです。

創世記17章12~14節に「あなたがたの中の男子はみな、代々にわたり、生まれて八日目に、割礼を受けなければならない。家で生まれたしもべも、外国人から金で買い取られたあなたの子孫ではない者も。・・必ず割礼を受けなければならない。・・包皮の肉を切り捨てられていない無割礼の男、そのような者は、その民から断ち切られなければならない。わたしの契約を破ったのである。」と記されています

契約のしるしとしての割礼 - 牧師の書斎


  • チッポラの父イテロは、アブラハムの第二の妻ケトラから生まれたミデヤンの子孫です。ですから、彼らもアブラハムの子孫であり、割礼という習慣があったと思われます。

チッポラは父イテロの7人の娘たちの一番上の娘だと思われますが、自分たちがアブラハムの子孫であること、また割礼の伝統を知っていたことで、事の重大性を悟ることができたと言えます。

これからエジプトにいるイスラエル人たちを救い出すために家族で赴く上で、無割礼の息子がいたことは父親であるモーセの過失であり、正されなければならなかったのです。

たとえ、どんなに大きな神のプロジェクトに携わるよう召されていたとしても、神の契約の原則には従わなければ、イスラエルの民がモーセに従うことはなかったはずです。

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