シリーズ「霊の中に生きる」 No.9人の霊(9)⑥


シリーズ「霊の中に生きる」 No.9人の霊(9)⑥

人の霊(9) - 牧師の書斎

●聖書の最高の教えは『霊の中に生きる』ことです。

シリーズ「霊によって生きる」の第九回目です。

今回も「人の霊」について扱います。
今日はその第六回目です。

5. 水の上を歩く

使徒ペテロが水の上を歩いた話をしたいと思います。

【新改訳2017】
マタイの福音書14章28~33節


28

するとペテロが答えて、「主よ。あなたでしたら、私に命じて、水の上を歩いてあなたのところに行かせてください」と言った。


29

イエスは「来なさい」と言われた。そこでペテロは舟から出て、水の上を歩いてイエスの方に行った。


30

ところが強風を見て怖くなり、沈みかけたので、「主よ、助けてください」と叫んだ。


31

イエスはすぐに手を伸ばし、彼をつかんで言われた。「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか。」


32

そして二人が舟に乗り込むと、風はやんだ。


33

舟の中にいた弟子たちは「まことに、あなたは神の子です」と言って、イエスを礼拝した。


イェシュアがかかわる話はすべて御国の福音とかかわりがあります。

ですから、ここでの話をたましいで聞くと、正しく理解できません。

なぜなら、水の上を歩くことは誰もできないからです。

事実、この話の前に、イェシュアが湖上(「ハッヤーム」הַיָם)を歩いて来たという場面があります。その後の話がここの場面です。

ここにある「水」も「風」もたとえとして書かれているのです。

「水」(「ハッマーイム」הַמָּיִם)とは「神のことば」を指し示しています。

その上を歩くとは神のことばを信じて従うことを意味しています。

もし神のことばを信じなければ沈んでしまう懸念がいつでもあるからです。

ですからペテロは「私に命じて、水の上を歩いてあなたのところに行かせてください」と言ったのです。

それに対して、主は「来なさい」と言われました。これはイェシュアのことばをペテロが霊で受けとめたことを予表しています。

そしてペテロは舟という安全な所から出てイェシュアのところに行こうとしました。

彼が何歩水の上を歩くことができたのか分かりませんが、彼は「強風を見て怖くなり、沈みかけた」とあります。

それは彼が霊ではなく、たましいを働かせてしまったことを意味します。

風(しかもここでは強風)はしばしば「目に見える試練」を意味します。

(マタイ7:24~27参照)

私たちが霊によって生きることは容易ではないのです。

私たちは神のみことばを信じることよりも、目に見えるものに影響を受けてしまいやすいのです。

霊とたましい(心)は別物であるということを知る必要があります。

信仰は心ではなく、霊の中での働きであることを知る必要があります。ペテロはそのことを主によって訓練されたという話です。


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