七福神、仲間に呼ばれる。

我が家のリビングの鴨居には小さな七福神の置き物が鎮座しています。七福神が横並びで台に乗っていて、それぞれの高さは3cm程度の小さなものです。台の幅は20cmくらいでしょうか。素材は、よくわかりませんが赤っぽい石のような感じで彫刻ということになるのかな。さてその七福神ですが、7~8年前に夫婦で鎌倉の江ノ島に行ったときに購入したものです。そこで妻が何故か七福神の置き物を買おうと言い出しました。妻は置き物の類には全く興味が無いし、神仏の像となると尚更です。いきなり何で? と聞く私に妻が言うには、この江ノ島ではとにかく七福神を推しているみたいなので、とか言うのですが、ともあれ腑に落ちないままに土産物屋で購入したのがその七福神です。江ノ島の土産物屋には七福神の置き物は沢山売ってますが、あまり大きいものは置き場所に困るしそんなに高価なものでも、というわけで丁度良いものを見つけました。ちょっと高いな、と思ったのはその七福神が、前にも書きましたが元々私の部屋にあった毘沙門天像と同じ素材だったからです。毘沙門天は高さ10cmくらいですが百均で買ったものなので百円です。江ノ島で買った七福神は、詳しい金額は忘れましたが二千円くらいだったかと思います。普通に見ればそれ程高いとは思わないかもしれませんが、毘沙門天が百円とするとその七福神は三百円が妥当なくらいです。ともあれ、他に適当な七福神が無かったのでそれを購入しました。妻は自分が欲しいとか言っていたのに買った後は全く興味が無い感じで、私はどこに飾ろうかと迷った挙句にリビングの鴨居の上に置いたものでした。妻が何で七福神を欲しがったのか。大分後になってヒントになるような面白い話を知りました。「怪談和尚」こと三木大雲氏の著書で読んだ話です。三木和尚が住職を務める蓮久寺に古い大黒天の仏像があって、その仏像にまつわる話でした。その大黒様は三木和尚が住職になってから何度も夢に出て来て困っている和尚を色々助けてくれるような、様々な福徳を与えて下さったという話でした。その逸話の中の1つに、蓮休寺に偶然に七福神の仏像が新たに祀られることになったということがあり、三木和尚には大黒様が仲間を連れてきたと思えた、とかいった話でした。成程、それを読んで私は我が家の七福神を思い出しました。元々私の部屋に置かれていた毘沙門天は、観音菩薩をお祀りしたときに脇侍としてその横に祀りました。毘沙門天様の方は開眼供養をしたわけではありませんが、それ以降ずっと観音菩薩の隣にいて毎日私の読経を聞いて礼拝を受けているというわけです。私の妻は私よりもずっと霊感が強いようですが本人はどう思っているのか、そうした類の話にも全く興味がありません。そんな妻が突然七福神の置き物を欲しがったのは、毘沙門天が仲間の七福神を我が家に招いたからだと思いました。だからこれだと思った置き物が偶然にも全く同じ素材のものだったのか、と納得した次第です。

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