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現代詩文庫 252『時里二郎 詩集』


思潮社現代詩文庫 252
『時里二郎 詩集』(表紙)
(2025年5月25日発行)

同じ兵庫県生まれの先輩詩人、時里二郎さんから、思潮社現代詩文庫 252『時里二郎 詩集』(2025年5月25日発行)をご恵贈いただきました。
ありがとうございます。

〈胚種譚〉から〈名井島〉に到る7冊の詩集で編まれています。7冊目の〈名井島〉は全篇収録されており、それ以前の6冊、〈胚種譚〉〈採訪記〉〈星痕を巡る七つの異文〉〈ジパング〉〈翅の伝記〉〈石目〉は抄録。編集の辛苦が推察されます。


同書(裏表紙)

裏表紙に綴られているのは、彫刻家で作家の柄澤齊さんの文章。7冊の詩集を、翅を持つ昆虫が変態する一齢から七齢までの過程になぞらえられた言葉が感動的です。

27年前、娘の誕生を記念して前橋の画廊で、柄澤さんの版画作品《植物の睡眠 VII》を購入しました。これは柄澤さんが、詩人の岡田隆彦さんと共同制作された『植物の睡眠』(梓丁室、1996年)で使用された作品。


IX/XV 植物の睡眠 VII '96
Hitoshi Karasawa

柄澤さんの版画にも通じる緻密さ、繊細さ、複雑さを持ち、ひもとくたびに窯変を繰り返すような謎めいた「時の里」の迷路を、これから経めぐります。

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