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【武道館記念!】ただのファンがベボベの好きな曲についてはじめて書き散らす【Base Ball Bear】

武道館ライブ、今日です。

2022年11月10日、というかこれ書いてる今日にBaseBallBear約10年ぶり3度目の武道館ライブがあります。
Base Ball Bearとは結成20年くらい経つ日本のロックバンドでして、私が10年以上好きなバンドなんですね。熱心なファンってわけじゃないんですけど、自分の10代後半から今に至るまで、心の中心にいつもいたバンドで、メンバーの彼らとは一回り年齢が違いますけど、一緒に成長してきたような、勝手にそう思ってるバンドです。音楽の趣味はファンやってる間に広がりましたが、いつも中心にはBase Ball Bearがあります。好きすぎてあまり語りたいとは思わないし、ライブも逆に行きたくない。だけどいつも聞いてるし、今まで興味が無くなったこともないです。
以前、武道館ライブがあった時は自分の大学受験と時期がモロ被りしてました。あの冬、あのライブに行きたかったなあと思い続けて10年以上。ようやく行ける日が来ました。今日のライブは念願のライブです。存分に楽しみたい。
私がはあまり熱心なファンでもないので、今までBase Ball Bearについてこういった文章を書いたことがないのですが、10年以上ファンやってきて武道館というひとつの節目を迎えることができたわけですから、一回自分がどれだけ好きか書いてみるのもいいかもしれないと思いました。今後こういうのは書かないと思うんですけど、一回だけ自分の中で整理をつけるための、ピリオドを打つための文章として書いてみたいと思ったのです。
武道館ライブの記念に、十代の頃から思っていた気持ちをここに閉じ込めておきます。

好きな曲、紹介します

これをどういう記事にしようかなと思ったときに、曲紹介みたいな体裁にして、単に好きな曲について好き勝手書いた方が書きやすいなと思ったので、以下そういう文章になります。
ごく個人的なことや、思い込みによる解釈、それゆえのわけわからなさ、が多分に混じってある文章です。思いつくまま勢いで書いてしまったので、紹介になってなかったりもします。とりあえず一曲の説明は短めにしましたが、あとで書き足すかもしれません。
3ピース体制以降とそれ以前で分けてはいますが、現時点で最新の曲から古い曲への順で書いています。曲数は10曲に絞ったので、とりこぼしてる時期がありますが、逆から聴いていけばバンドの変遷がわかるかと思います。なぜ最新の曲からなのかといえば、もちろん今のベボベを真っ先に聴いてほしいからです。

3ピース体制以降の曲

「海になりたい part.3」

現時点で一番最近に発表されている曲。
渋みが出てきた大人が、心の中にある”あの夏”について、若いころから歩みを進めた現在地から歌うとこうなる、みたいな曲。
”あの夏”とは我々の心象風景であり、存在するかもしれないし、しないかもしれない”憧れ”である。
日常と非日常が重なり合うところ(極端と極端の間。AでもないCでもない、淡い)を歌ってきたベボベが再び夏を歌い、ずっとブレずに芯があるところを見せてくれるのがファンとして嬉しい。シンプルな構成だけど骨太な一曲。

「ドライブ」

2021年発売のアルバム『DIARY KEY』のラストを飾る曲。
この曲の発表自体は2021の年始だった。その前年は本当にいろいろなことがあった。悲しいことばかり記憶にあるが、この曲は発表当時から全部に向き合って一緒に前に進んでいこうと語り掛けてすべて肯定してくれるような力強さを感じたのを憶えている。曲ラストのギターソロは生きることへの賛辞であり、そして鎮魂でもあるように思う。

「Cross Words」

2020年発売のアルバム『C3』収録の曲。
3ピース体制になって、これからどうなるんだろうという不安が付きまとって離れなかったファンも多かったと思う。自分も正直楽しみ半分不安半分、みたいな感じだった。が、この曲を聴いて完全に不安が吹き飛んでしまった。あまりにも傑作。
それぞれの演奏がシンプル且つテクニカル。時間を重ねてきたからこその三人によるアンサンブルと、時間をかけて理解し合っていくことを説く歌詞がまさに交差した、バンドの実力を示してくれる一曲。これからもずっと演奏してほしい。

3ピース体制以前の曲

「文化祭の夜」

2015年発売のアルバム『C2』収録の曲。
湿った感じのあるファンクで、これまで曲の中でも”黒さ”が特に目立った曲だった。それはブラックミュージック的要素やPVの印象の意味だけでなく、「文化祭」を扱いつつも色褪せた情景を想起させる歌詞としてもそうなのだ。大人になった地点から見る「文化祭の夜」とはなんなのか。祭りの
高揚感と同居する”気持ち悪さ”を、さらに俯瞰した視点から見てるような、そのような印象が曲全体にある凄く技巧的な曲だと感じる。
文化祭の夜みたいな あの気持ちカミングバック

「The Cut -feat.RHYMESTER」

2013年発表のEPの表題曲でありアルバム『二十九歳』にも収録されている、RHYMESTERとコラボレーションした曲。ベボベの代表曲の一つと言ってよいでしょう。
スマート且つ壮大さのある曲展開、溶け合うロック/ポップとヒップホップ、社会批評的でありながら説教臭過ぎないリリック、冷静なのにエモい、といった感じでめっちゃ誉めまくることができる曲。
超大雑把に言えば、「君は君で君の現実を”切り抜いて”物事を見たり判断したりしようぜ」って曲だと思うんだけども、悲しいかな、この曲が発表された当初よりも今の方が歌われることに意義のあるように社会の方がなってしまった。

「Tabibito In The Dark」

2011年のアルバム『新呼吸』収録の曲。
『新呼吸』ってテーマとして前向きな印象のあるアルバムだと思ってたんだけども、ずっと聞いててある時「なんてヤケクソな前向きさなんだ!」と気づくことがあった。ループを抜け出しても何かが解決するわけでもなく、とにかくヤケクソでも踏み出してみるのが大事で、その結果ループから抜け出せるかもしれないし抜け出せないかもしれない。ダメだったらもう一回ループをやり直して試行錯誤すればいい。とにかく毎日新しい朝を迎えるのが大事なのだ。それを傷だらけになりながらも伝えていたんだということに恥ずかしながらずっと気づけなかった。
特にこの「Tabibito In The Dark」はヤケクソ感が極まった曲である。一寸先は闇でも困難に踏み出して踊れ、だってそうしなきゃどうにもならんだろう、君も頑張れ、と曲が言ってくるよう。それでいて何故か感動する。年齢を重ねてからより好きになった曲だ。

「BAND GIRL’S SPIRAL DAYS」

EP『CYPRESS GIRLS』に収録。
これを聴いてると学生時代を思い出す。思い入れが深い。
疾走するギターとともに物語が駆動する。歌詞がない部分が一番物語を感じる部分でもある。
アゴタ・クリストフ『悪童日記』もこれ聴いてなかったらいまだに読んでなかったかもしれない。
あと、なんかうまく言えないが、2010年っぽい感じだなあと思う。というか、ゼロ年代末感?みたいな。そんな感じ。詳しくは曲を聴いてほしい。

「神々LOOKS YOU」

2009年発売のアルバム『(WHAT IS THE)LOVE&POP』収録の曲。
初めてベボベを聴いたのがこの曲だった。
サビを一聴したとき、なんか変だなと思った。聞いたことないメロだし、男性と女性のボーカルの掛け合いがあって、そしてどういう詞なんだこれは、と。そこから他の曲も気になって聴いてみて、自分もバンドやるようになってからまた聴いて、そしてすべて始まった。個人的すぎる思い入れが強い曲。
弾き語りしたい一曲でもある。

「ヘヴンズドアー・ガールズ」

2007年発売のアルバム『十七歳』収録の曲。
このアルバムにだけ入ってる曲だけど、結構好きな人多いんじゃないかと勝手に思っている。
イントロで一気に曲の世界観に持っていかれる。音だけで情景がすぐ思い浮かんでくる。リードとリズムの二つのギターそれぞれのサウンドが良く、それが合わさってさらに心地よい。歌詞はキザっぽい感じもあるけど、それも世界観だと思う。最初の武道館ライブで演奏してたけど、また新しいアレンジでやってくれないかな。

「STAND BY ME」

2006年発売のメジャー1stアルバム『C』の収録曲。
『C』はとても素晴らしいアルバムで(もちろん他も素晴らしいけど)収録曲みんな好きなので、こうやって曲を選ぶとなると困る。
この頃のベボベは若さゆえの爆発力があると思ってて、それが全開なのが特にこの「STAND BY ME」であると思っている。とにかく力強い。
とにかく世界観をごり押ししてくるような詞をポップに歌い上げ、曲はなんだか複雑だが直球でもある。計算されているようで無秩序な勢いも感じる。なんだかよくわからんが凄みがある。今のベボベにはこの種の凄みはない。
でも、これをずっとやっていたとしたら、付いていくファンはいたかもしれないが、結成20年経って3度目の武道館に立つなんてことはなかったかもしれない。バンドは勢いだけでやるには限界があるから、どこかで折れたり方針をガラッと変えたり、場合によっては解散もある。でもベボベはずっと変化をし続けている。常に実験的で、それでいてずっと人々に寄り添っているポップなロックバンドなのだ。『C』のベボベはその時代にしかいないが、それでいいのである。
変化していくからこそ、ずっと形が変わらず残り続けるということもある。ベボベはずっとそのポジションにいる。どうかこれからも変化し続けるままでそこにいてほしい。

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