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④インターンシップ ― ガチ勢は長期、最低でも短期

今回はインターンシップについてお話します。
「インターンシップはとりあえず行っといたほうがいい」という言説は皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。実際、ある程度まともな企業のまともなインターンであれば言って無駄になることはないので行かないよりは行っといたほうがいいのは事実です。
しかし、同じインターンシップに参加していてもインターンシップのことを浅く理解している人とちゃんと理解している人とではその後の展開に差がついてしまうことも事実です。
この記事ではインターンシップの種類別のとらえ方からインターンシップ経験の活かし方までを解説していきます。

インターンシップとは?

日本におけるインターンシップ(略称:インターン)とは、建前上は「学生が就職する前に将来就く仕事を選ぶ参考にするための就業体験」ということになっています。実際にその趣旨を踏まえて実際の仕事を体験できる企業やプログラムもある(特に理系は多いようです)ようなのですが、この趣旨をあまり反映されていないインターンシップが多いように感じました。

私の受けたインターンシップの実態は、「会社説明会を行えるシーズンでないころから学生とのつながりを持ち会社の紹介をする会」であり、「グループワークなどで自社について考えを深めてもらうことで会社に対する興味を持たせる会」でした。おそらく会社側としても学生に体験させられる職種は限られてくるからだと思われます。

しかし、だからといってインターンシップに行く意味や収穫がなかったわけではありません。インターンシップはそういうものだと割り切ることで、就業体験はできなくても会社や業界についていち早くイメージを固められたり知らない学生とのグループワークにいち早くなれることができました。こういったメリットがあるため、インターンシップは「行ったほうがいい」と言えます。

インターンシップには長期インターンシップと短期インターンシップの二種類が存在します。

長期インターンシップはまとまった時間の取れる夏休みに行われることが多く、プログラム1回あたり1週間~1ヶ月かけて行われます。稀に大学の授業のある秋~冬の時期に行われることもあります。

短期インターンシップは半日~数日と短い時間で完結するもので、夏休みや冬休みのほか大学の授業のある期間の土日に行われることもあるようです。また直前期の1月末~2月にも少数ながら開催されます。

この2つは単に期間が違うのではなく、内容や位置づけも全く異なってくるので分けて考える必要があります。長期インターンに求めるものを短期インターンに求めると徒労に終わりますし、短期インターンの延長のつもりで長期インターンに行くと地獄を見ると思われます。

方向性見えてるなら長期インターン

長期インターンはエンジニア職や法律事務所といった士業系、コンサルタントなど、専門性を要求される業界に多いようです。理系の技術職や研究職などもここに含まれます。

また募集人数は若干名であることが多く、必ずと行っていいほど選考があります。(選考は5月末~6月であることが多く、この記事がUPされる頃にはほとんど終わっていると思われます)内容は面接や課題など様々ですが、受ければよいというものではなく一定以上のレベルが要求されますし、落とされることもよくあります。

長期インターンはインターンシップの本来の趣旨である「就業体験」ができ、対価が貰える場合もあるようですが、やっていることは実質的にアルバイトと同様であることもあるようです。「インターンを経験した」という実績にはなるのは間違いありませんが、その経験がそのままキャリア選択に活かせるかと考えるとケースによるのではないでしょうか。

したがって、現時点でもうやりたい仕事が決まっている人は長期インターンを狙うと良いでしょう。その業界・業種への特急券になります。対してその仕事にまだ本気で目指す気のない人は長期インターンを目指すのは労力の無駄になりますし、応募したところでおそらく落ちます。

私は大学3年生のころまでは法律を使った仕事に就きたかったので法律事務所や司法書士事務所のインターンシップの選考を受けましたが、そこが初面接だったため面接のセオリーが全く分からず、不合格の通知を受けることすらなくあっさりと落ちました。

そのため長期インターンシップについてはあまり語れることがありません。
もし身近に長期インターンシップ経験者がいるようであればその方に選考とインターンシップ当日について聞いてみることをお勧めします。

特に何も決まってない人は短期インターンへ

短期インターンはあらゆる業界で行われます。業界やその企業の現状と将来像を説明したあとに、それを踏まえて企業の未来像をグループに分かれてディスカッション(討論)したりワークに取り組み、その成果を参加者の前で発表するという形式で行われることが多いです。

企業によっては、実際に社員が働いている仕事現場を見学することができたり、扱っている製品を触ったりすることができる場合もあります。また社員が数人登場し、仕事内容の説明をしたり学生の質問に答えることもあります。

いずれにしろインターンシップの本来の趣旨である「就業体験」よりも「企業理解・業界理解」に重きを置かれているので、経験を積むために短期インターンに参加するのははっきり言って意味がありません。しかし就活序盤で何も具体的な情報がない状態であることを考えれば、その企業のことや業界の情報をまとめて得られるという点で参加する意味はあります。

さらに言えば会社に出向いたりいろいろな企業の社員さんと会う経験を早めにすることで、今後の説明会や選考で経験不足からくる緊張を少しでも緩和することができるという利点もあります。特にグループワーク・グループディスカッションはこの先の選考でもよくやるので今の時期から場馴れしておくことで差がつくでしょう。

短期インターンの参加企業は夏から秋であれば業界単位で考えると良いでしょう。企業単位の情報は本やネットで手に入りますが、業界全体の情報を得るのは意外と難しいため、短期インターンを通じて業界の知識や雰囲気をつかむと良いと思います。

同じ業界の企業は2つ以上参加せず、複数の業界のインターンに参加し、比較することでそれぞれの業界の特徴を掴むようにしましょう(複数業界に参加したほうが良いからといって大学3年生の夏休みをすべて就活にそそぐ必要はありません)。

インターン中に得られる企業の情報についてはメモはすべきですが、後でその企業を受けようと思ったときに見返すことができるようにしておけば十分です。企業単位で絞るのは冬に入ってからで良いです。

逆に言えば冬休みのインターンからはその企業の本選考を受ける前提で参加企業を考えるべきです。冬休み以降のインターンはほぼ確実に参加者に早期選考の案内があります。そのチャンスを活かすべくインターンで企業の情報を得た上で、自分なりにしっかりまとめましょう。

短期インターンの選考は志望動機やガクチカなどのかんたんなESを求める程度のことが多く、選考がないところもあります(ただし選考のないインターンはあまり中身のないことが多いです)。とにかくマイナビ・リクナビなどのナビサイトを使うかオファーサイトを使って興味ある業界・企業があれば気軽に応募してみましょう。

インターン選考は本選考の練習

インターンシップの選考は本選考と同じくESや面接によって行われます。これは裏を返せば本選考の練習になるということです。インターン選考のESの書き方や抑えるべきポイントなどは本選考のESにも通じるものはあります。また面接で聞かれる質問、特に自分に関する質問は本選考とほぼ同じです。

インターンシップのこの時期から少しずつでもESを書き上げたり面接を受け慣れることで本選考の時に余裕が生まれますし、よりよいパフォーマンスを本番で発揮することができます。

万が一インターンシップに一つも参加することができなかった場合でも、選考をいくつか受けてさえいれば選考を受けたという経験は無駄にはなりませんし、むしろ「なぜインターンシップの選考に落ちてしまったのか」を考えることで本番にむけて調整することができると思います。

ただしインターンシップ選考と本選考を並べて考えるときに注意しなければならないことがあります。

本選考では「会社を理解していること」「その会社に入りたいという意思」をアピールすべきですが、インターンシップ選考でその点をアピールすることは意味がありません。インターンシップ選考では会社ではなく会社が開催する「インターンシップ」そのものに対するやる気や参加して学びたいという意思をアピールすべきです。

逆に本選考の会社志望動機で「会社で~といったことを学びたい」というのも逆効果です。会社はパフォーマンスを発揮する場所であり学ぶ場所ではないからです。同じ就活の志望動機と考えて同じような答えを出していると失敗します。


インターンシップに参加するにあたって必要であれば企業研究・業界研究をしましょう。
次回の記事で詳しく解説します。

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