守備について

今回は守備の考え方について。

先日、普段良く目にしているNumberのコラムで今季ドルトムントからセレッソ大阪に復帰した丸岡満選手のインタビュー記事が掲載されていました。

セレッソに復帰した丸岡満の苦悩。「日本とドイツはサッカーが違う」

その中で

(以下本文より)
「そうなんですよ。ユース時代の感覚を取り戻せれば、どこでもやれると思うんですけど、まだまだですね。やっぱりドイツと日本じゃ守備のやり方も違うんです。ドイツは前に取りにいく時は全員で行くし、自分がはがされても次が来るから『はがされてもいいから行け』って感じで思い切りいけるんです。
でも日本では、自分のところではがされたらダメじゃないですか。止まらないといけないし、相手に付いていかないといけない。監督には、『1回だけじゃなく2、3回追い掛けろ。球際の強さを見せてこい』と言われるので、そこを意識してライン際のタックルとかスライディングとかしていますけど、もっと守備の意識を高めて、何回も相手に行けるようにならないといけない。」

という文面に非常に考えさせられました。

まず「球際の激しさ」=「タックルとかスライディングとか」ではないということ。
ここを勘違いしている人が多いのではと感じています。
自分は「球際の激しさ」=「ボールに対してブレッシングする強さ」だと思っています。
あくまで「タックル」や「スライディング」はボールに対してプレッシングする手段の一つであって、タックルやスライディングが目的になってしまってはいけない。

守備の原則

守備の基準をどこに持ってくるのかはチームのプレーモデルに関わってきますが、主に2つの方法があると思います。

1.ボールを基準

2.人を基準

1、はボールを基準としているので、前提としてボールに対してプレッシングして、相手の自由を奪っていきます。
2、は人を基準としているので、ある程度ボールに対してのプレッシングが緩くても、人に厳しくマークをしているので、相手も自由にはプレーが出来ません。

どちらが正解ということはもちろんありません。
また、ここではゾーンプレスなのか、マンマークなのかの話はしていません。
あくまでどこに基準を持ってくるのかということ。
ただ、フットサルでは人を基準にして守備をするのは少し厳しい気もしています。

それはなぜか。

ここで、フットサルの大原則が出てきます。

サッカーと大きな違いは【スペースの違い】です。
・フットサルはピッチが狭く(20m×40m)サッカーはフィールドが広い(90m×120m)※最大の広さ、競技規則の表現を使っています。

一般的に分かりやすく表現すると、フットサルのピッチはサッカーのペナルティエリアとほぼ同じ大きさ。(実際にはフットサルのピッチの方が少し大きい)
そのため、少しでもボールに対するプレッシングが弱くなってしまうと、途端にゴール付近までボールを運ばれてしまいます。
なので、サッカーのように【スペースがある】のとは違い、【スペースがない】フットサルでは、より守備に対する考え方がサッカーよりもシビアになっています。

で、日本と海外の守備の考え方の違い。

ざっくりと言うと、海外は

「ボールを自分たちの物にしなければ話にならないじゃないか、だってボールをゴールに入れるスポーツがフットボールなのだから。」
なのに対して、日本は
「自分たちのサッカーをやっていれば負けることはない!だから、まずは攻撃のことを考えてプレーしたら良いんだ、守備は気持ちで追い回して相手がミスすれば良い!」

みたいな感じ。

なので、自分はずっと前から言っていますが、「日本には守備という概念はない」ということ。

前線からのプレッシングなのか、カウンターなのか、マンマークなのか、ゾーンプレスなのか、などの詳細な分類はないと思っています。
良く、欧米は狩猟民族で日本は農耕民族だから、そもそもの価値観が違う。などの話を聞きますが、どちらかといえば、価値観の違いというよりも、フットボールの本質を深く理解が出来ないまま発展してきたような印象を受けています。
深く寛容な民族性の日本ではありますが、裏を返すと事なかれ主義というか、受け身(保身)であることが大きな違いなのではないかと思います。
終身雇用や(部活や仕事の)上下関係など、日本の社会構造上の問題とも言えます。

もちろん、少しずつですが、変わってきているとも感じています。
ただ、それが日本を代表するようなところにまで波及するのには、まだまだ時間が足らないのではないかと思っています。

今回はあくまで何を基準として守るのか、守備の考え方についての話だけ。
原理原則の話やプレスラインなどの方法論についてはまた今後。

そろそろ本質的な話をしようと思っていますので、有料記事にすることも考えています。
もし、読んで頂ける方がいればの話ですけど。

まずは100円あたりから…。笑

ありがとうございます!今後も良い記事が書けるよう、日々研鑽していきます!