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【五臓の働き ②心(しん)】その不調、心の異常かも?

KAMPO MANIA 漢方薬剤師の西﨑れいなです!

今回のテーマは

『五臓 心(しん)』


前回の「肝」の投稿に続き、五臓シリーズ第2弾。
まだ見てないよ〜という方は、画像をTAPしてご覧くださいね。

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さて、今回は五行の「火」にあたる「心」について解説していきます。

五臓六腑

漢方では、心をこころではなくしんと呼びます。
熱を持って上へと上昇する「火」の性質を持っています。

生命活動の中心であり、
西洋医学でいう心臓と同じ働きを持ちながらも、さらに幅広い概念です。

心の働きは大きく2つ。

●全身に血液を循環させる

●精神、意識、思考のコントロール


心は血脈(けつみゃく)を主るといわれ、この血脈とは血液が流れる通路=血管のことを意味します。

心が問題なく働くことで、全身に血液が十分に運ばれて、栄養状態良好!心身ともに健康でいられるわけです。
一方何か異常が起こると、循環器系の症状や精神的な不調を招きます。

【心の異常による主な症状】
動悸、息切れ、脈の乱れ、胸の痛み
集中力低下、精神不安定、物忘れ
夜眠れない、眠りが浅い、顔が赤くなる、熱っぽい etc...

No16清書

特に症状として特徴的なものが、物忘れや不眠
心に血が不足する心血虚(しんけっきょ)の状態で、脳に栄養が行き届かず、記憶力の低下、眠りが浅い、眠れないなどの症状が出ます。

慢性的なストレスや考えすぎ、焦りなどは状態を悪化させる原因になります。


心と関わりの深い感覚器官は「舌」
そのため、心の異常は舌に出やすいといわれています。
舌にできものが出来やすい、舌先が赤く腫れている、舌がヒリヒリする、舌がまわりにくいなどの症状が特徴的です。

さてここで、舌の話が出ました。
漢方では、舌を診てその人の身体の状態を詳しくチェックする舌診(ぜっしん)という診断方法があり、色や大きさ、形などを確認します。

舌は臓腑の状態をうつし出してくれる、健康のバロメーターなのです。

例えば、
舌がボテっと大きく、周りに歯形がついている場合は、胃腸機能の低下、エネルギー不足(気の不足)、水分代謝の乱れなどが考えられます。

歯痕舌

舌の裏側の血管がボコっと青紫色に浮き出ている場合は、血流の滞り、循環の悪さを表します。

舌下静脈怒張

まさか自分の舌で身体の状態がわかるなんて、びっくりですよね!!

心と関わりが深く、影響を受けやすい季節は夏。
夏は1年で最も陽気が高まる季節です。

【参考記事】
陽気・・・漢方医学の根幹となる「陰」と「陽」のはなし。


夏の暑さを受けすぎないよう、体内では陽気を発散しようとします。

陽気を発散するために出る液=汗
であり、必要以上にたくさん汗をかいて潤いが不足すると結果的には体内に熱がこもります。
その熱が心に悪影響を与えて血液循環が悪くなるため、狭心症や心筋梗塞のような様々な病気の引き金となってしまいます。

適度な発汗は重要なので、夏場は日中を避けて身体に負担がかからない程度の運動や、湯船につかることは大切です。同時にこまめな水分補給も心がけましょう。


さて今回は、
身体の中心、全身の働きを統括するリーダー的存在「心」について解説しました。

春の養生(肝の養生)は夏(心)を気持ちよく迎えるための準備期間といえます。

4月がスタートして、あっという間に3週間が過ぎようとしています。
新しい環境で不安や緊張、ストレスを感じている方も多いのではないでしょうか?

とにかく、意識して休息をとることがとても大切です。

お休みの日は、家族や友達など周りの大切な人と一緒におしゃべりしたり、食事をしたり、楽しい時間を共有して自分の好きなことに時間を使ってくださいね。

ではまた♡

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