不妊治療での漢方の力
2019年8月の某日、薬局にとても上品で美しい女性が来られました。
話を伺うと、彼女は38歳で結婚2年半、昨年から不妊治療を受けているが、結果があまり良くないとのことでした。
彼女の場合は両卵管癒着があり、体外受精しか選択肢がなく、さらにチョコレート嚢腫右 6 cm、左 4 cmに橋本病でチラージンを服用中、BMIも16.5、とても妊娠するには良いと言えない条件ばかりでした。
また生理周期が不規則で生理痛が強く、塊があり、色も黒い。
普段イライラしやすく、肩こり、頭痛と立ち眩みもしていました。
生理前は頭痛と浮腫みが酷くなるようでした。
今まで採卵を11回やり、5回移植したが一度も着床せず、いまに至ったそうです。
胚盤胞の凍結卵がまだ2個残っている状態でした。
初診で気陰両虚(身体が弱い)、下焦湿熱(骨盤内の炎症)と弁証し、煎じ薬を提案しました。
これらの生薬には身体にエネルギーを補充すると同時に炎症を抑える効能や気血の流れを改善させる働きがあります。
処方を調整しつつ、2カ月漢方を服用し、10月に胚盤胞移植するも着床せず、12月に再度胚盤胞移植をし、無事に着床しました。
妊娠中もずっと安胎のため38週まで漢方を服用し、2020年9月末に無事に出産、母子とも元気でした。今月中旬に再び漢方を購入しにご来店なさいましたが、残念ながら私の出勤日ではなかったためお会い出来ませんでした。後日また挨拶にいらっしゃるとの事でした。
この方の症例では、的確な弁証と生薬の選びが功を奏して、厳しい状態ではありましたが、妊娠が出来、また妊娠中も漢方のケアを続けたことで良い結果に結ばれたと思います。
漢方医学は現象よりも本質を追究する、紀元前から存在する医学です。そんな漢方医学を私はこの世の中で最も素晴らしい医学だと自負しています。
いま不妊治療を受けている方の中には、西洋の治療で結果が出ないからと言って諦めかけた方も大勢いらっしゃると思います。そういう方には是非漢方の力を試して欲しいです。
2020年10月誠心堂薬局 井上 松春
誠心堂薬局 池袋店
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