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ワカチコとギャランドゥ

こないだ職場で若い男性の同僚と話していたら、彼はゆってぃ(藤堂雄太)のよく言う「ワカチコ」が気に入っていて、

「ワカチコってどんな意味なんすかねぇ?」

って言うから、あれは少年隊の歌に出てくる言葉なんだよと教えてあげました。
ゆってぃはアイドルに憧れてアイドルになりたいキャラで売っていて、先輩である少年隊の歌の一部を言っているわけですね。
では少年隊の『デカメロン伝説』の「ワカチコ」って、何なのでしょう。

ちなみにゆってぃの「ワカチコ」は、「若さ」「力」「根性」を意味するそうです(本当かなぁ……)。

そして「デカメロン」というのは、ルネサンス期の作家ボッカチオの書いた『十日物語』の原題です。
ペストが大流行したときに郊外へ逃れた男女計十人が、気を紛らわすために毎晩一人ずつ交代でお話をするという形式の短編集で、恋バナや下ネタが中心なのだそうです。

調べてみると、まず正しくは「ワカチコン」であることが判明しました。
その由来は何と何と、日本のブラスロックバンドのスペクトラムなのだそうです。

↑ 1分25秒くらいで聴ける

スペクトラムのデビュー曲の『トマト・イッパツ』に出てくる

「ワッチコン! ワッチコン!」

がネタ元なのだそうです。
(ライブでは大合唱だったとか!)
少年隊の錦織一清はスペクトラムの大ファンで、この言葉を頂いちゃったのだとか。
(他にもスペクトラムネタはあるらしい)

では、スペクトラムの「ワッチコン!」はどういう意味なのでしょう。
実はこれにも元ネタがあって、それは伝説のロックバンド、サディスティックミカバンドの曲だったのです。

アルバム『HOT!MENU』の一曲目の『WA-KAH!CHICO』がそれ。
いきなり出だしから、

「WAKACHICO!」

って言ってます。
さてさて、その意味はというと。

ギターのエフェクターでワウ・ペダルっていうのがありまして。
(タイトル画像がそれです)
このペダルを足で踏んだり上げたりすると、ギターの音がふわふわと変化するんですね。
その音色を言葉に置き換えたら、「WA-KAH!CHICO」になったというわけ。

↑ イシバシ楽器のデモ動画

いやー、深堀りしてみたら、意外なところへ出てしまった感じです。
となると、ゆってぃのあの腕の動きも、ワウ・ペダルをイメージしていることが分かります(嘘)。



さてついでにもう一つ。
西城秀樹の『ギャランドゥ』という曲がありますが、ギャランドゥってどんな意味だかご存知ですか。

何々、「男性のへその下の体毛」だって?
ブッブー!
(↑ おならではない)
それはよく言われることですけど、実は間違いなのです。

『ギャランドゥ』の作詞作曲はもんたよしのりです。
もんたは曲作りをするとき、ギターを弾きながらデタラメな言葉を並べてメロディを考えるそうで、この曲を作るときにも英語っぽい適当な言葉で歌っていました。
結局ギャランドゥは、女性の名前をイメージした英語っぽい言葉だったそうです。

この曲がヒットすると、もんたの所属事務所には問い合わせが殺到。
「『ギャランドゥ』ってどういう意味なんですかぁ?」
と聞かれて、上のことを説明するとファンがガッカリするんじゃないかと思い、別の説明をしたのだとか。
それは、

「gal un do」

「gal and do」

でした。
(これも意味不明ですが)

じゃあ男の体毛という意味はどこから来たのか。
実は犯人は、ユーミン(松任谷由実)だったのです。
ユーミンがテレビでオールスター水泳大会を見ていたら、水着姿の西城秀樹のへその下の体毛が気になってしまい、自身の深夜ラジオでネタとして「毛深い男性」のことをギャランドゥと言っていたのが広まったのです。
その番組には西城秀樹もゲスト出演して、その回では「ギャランドゥ大会」なるものが開催されたそうです。


ちょっとした言葉でも、深堀りしてみると色々出てくるものです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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