本日、バイト先をクビになりました

本日バイト先をクビになりました。え?バイトでクビってありえるの。正直驚いた。そもそもの宣告は社長からのライン。なんの相談もなかった。メッセージには、30日前になりましたので就業規則に乗っ取り貴殿との契約を終了させていただきます、云々。

会社の経営が良くないことは知っていた。赤字の収支報告書をみたこともあったし、シフトは徐々に減らされ、先月は数回程度だった。でも解雇宣言ってそんな当然やってくるとは思わなかった。

来月のシフトは既に出ていて新しいバイト先を探す時間はなさそうだ。何より繁忙期終わって解雇を言い渡すなんて、使えるだけ使って捨てるみたいじゃないか。社長の真意はわからなかったが、私はただ事務的に送られてきたメッセージを見てトラックに惹かれたような衝撃を受けた。後からやってくる失望感は水底に沈むように徐々にゆっくりと心を蝕んだ。理由もわからず捨てられた私は深く傷を負ったまま残り1ヶ月を過ごすことになった。


朝6時起床。目覚めは最悪。鈍い頭痛が襲う中、バイトへ向かう準備を始める。バイト先まで1時間かかるため、大好きなコーヒーはお預けだ。昨日の残り物を適当に温めてとりあえず食べ、適度に身を整えて家を出る。

片方なくしたワイヤレスイヤホンで名前だけ知ってるアイドルの一番有名な曲を聞く。底抜けに明るいメロディと、ノリと勢いだけの歌詞がなんとか私を支える。ここ最近はストレスでドカ食いしてしまった。3つのうち、一番重いのはなんだろう。体重、瞼、足取り。まだ冴え切らない頭はどうでもいいことだけを考えながら、無意識に職場へ私を運んでいく。

平日の電車は人が多くて嫌いだ。遊びに行くためでも眉間や口元に皺ができるのに、それが仕事となるともはや私の顔面は梅干しのようになる。どうでもいい広告を見続けていると目的の駅に着く。ここから歩いて15分。コンビニや飲食店が減っていき、住宅と小さめの工場が半々になったそのエリアに私の職場があった。門を抜けドアを開ける。あと1ヶ月もこれを繰り返さなければいけないのか。終わりが定められた途端に、日々のルーティンは退屈へと変貌した。

心臓の拍動が必要以上にうるさい。指の先端まで血が通うのがわかる。きつくて苦しい。社長からのメッセージは私の生活を劇的に変えた。船の進路はどす黒い泥濘の方へ舵を切った。あと1ヶ月、耐え忍べ、私。

これは誰にも知られていない私だけのライフハックですが、かわいい犬の画像を見ると元気が出ます!かわいい犬を見ると元気が出ます!