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ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。


「優が何を選ぼうと、お父さんは優の答えを受け入れて、ずっと背中を押してあげる。」

静まり返った、だだっ広い部屋で一人涙が伝った。


ここ数日、いろんな感情が動いていた。


文字を綴ることを仕事にしようと決めて、なんとか1ヶ月半がたった。

こんなにも継続力のない私が四六時中文章だけは書いている。

自分を盛大に褒めてあげたいと思う。


友人の何気ないたった一言がきっかけで、パートナーとの関係についてぐるぐる悩んだ。

全力で聞いた。考えた。伝えた。

それでもずっと会話を続けていこうと思った。

私の世界には彼ほど、いつでも厳しくていつも優しい人はいないから。

私も、そんな風に優しい人であろうと決めた。


同じ日に、2人の親友がつらいことを打ち明けてくれた。

わたしには、聞くことしかできなかった。

ただ、聞くことができた。

少なくともわたしの言葉で、少しだけ元気になってくれたら嬉しい。


そんなとき、ふと開いたTwitterでタイムラインに流れてきた。

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」

幡野さんのことはおそらく半年前ぐらいからフォローしていた。


悩んで、どうにもこうにもうまくいかない時に、うまくいくようになっているもんだ。

本当にたまたま出版されると聞いていた本の話がツイートされていた。

3秒で買った。

人気で書籍は1.5倍くらいの値段になっていた。

でも、しばらくして今買いたい人に行き渡った頃に、書籍で手元に置いておきたいと思う。


1年に1冊あるかないかの、一生読みたい本に出会った。


私の好きな作家さんは、松浦さんも、幡野さんも、基本的に「いいよ、いいよ、大丈夫」と言わない。

当たり前の現実をただ淡々と伝える。

最後にそっと「僕だったらこうする。」と添えられている。


この時期に書評を事細かく書けば、バズるのかもしれないが、バズって、一般的な価値観が浸透するなんてすごくもったいない気がする。

オリジナルでネイティブな感情を感じられる本だったから。

あえて一言でまとめるとしたら、奥さんの「帰ってきたら、遊ぼうね」のような言葉を綴れる自然な思いやりのある人でいたい。


この本は、優しさとは、死ぬとは生きるとは、孤独とは、お金とは、基本的なことしか書かれていない。


そして2歳の息子さん、優くんに向けて書かれているメッセージなのに、全くふりがながついていない。

親なら、これを小さい時から刷り込んで価値観を植えつけてもおかしくない。

きっと必要なときにだけ読むためのものなんだろう。


そんな強くて優しい、文章がそっと包まれていた。

しばらくしたら、また包み紙をそうっとほどくように読み進めたい。


友人とシーシャに行きます。そして、また、noteを書きます。