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家族のカタチは、かわる

1年半前、甥っ子が産まれた。

わたしには子どもがいないので、妹が子どもを産んでくれたおかげでようやく父母に初孫ができた。

父と母はお互い性格が真反対で、仲がいい夫婦とはあまり言えない。

けれど、甥っ子を通して見えてきたのは、きっとわたしや妹が産まれたときもこんな風に育ててくれてたんだろうな、ということ。


甥っ子が産まれた暑い夏の間、実家の狭い和室では父母、そして妹、わたしで甥っ子を囲んで抱っこしたり、お世話したり。

ちょっとした表情を見ては「今笑った!」と大騒ぎしたり。


父母が結婚して、わたしと妹が産まれ、それぞれ結婚して家を出る。

わたしには夫がいて新しい家族を作り、妹も同じように旦那さんと子どもができ、家族を作る。

それぞれが木の枝のように分かれていくわけだけれど、甥っ子の誕生のおかげで一時的に「もとの家族のカタチ」に戻ったような錯覚が起きた。

子どもの時は、家族全員でいることが当たり前すぎて、そして窮屈すぎて「この4人で居られるの、楽しいな」なんて思ったことはない。家族全員が仲良し、なんて話を聞くと、なんだかうらやましくて仕方がなかった。

けれども。

生まれたての小さな甥っ子を囲んで目を細める「わたしの家族」を客観的に見つめてみたら、照れくさいような、でもなんだか幸せな気持ちでいっぱいで。

「ああ、わたしの家族、なんだかんだ仲がいいのかもしれない。」

そんな風に思えた、2016年の8月。


執筆者:チヒロ@かもめと街 Twitter

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