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手話

中学生がNDC(本の分類)の学習にやってくる。すでに、学級で探す本は、決めてきたようで、その本を探して、NDCを確認する学習方法のようだ。

さて、本校には、聴覚部もある。そこで手話の本も蔵書している。

手話の本を探している生徒たち。すでに手話の棚は以前から作っていた。本は、すぐに見つかったのだがNDCをみて、8類の言語ではなく3類の社会に分類してある。「おかしい」などという声が聞こえる。

そこで私は、弁解するように説明をする。実は、手話の本を8類言語に分類したのは、最近のことだ。それ以前は、3類の社会の教育に分類されていた。つまり、聴覚障害者のための教育法としての位置付けだった。最近になって8類言語として認識された。

本校は前身が、聾学校だったため、古い聾関係本も蔵書しており、その名残で3類に分類されたままの本で配架していた。棚も正直ない。

分類の考え方が変わったことも、急には変更できないことも理解してくれた。

それでも、手話が言語として認識されてはなかったことには不満を感じたらしく、「手話は、コミュニケーションの方法だ」と強く主張する。8類に変わったことで、多くの人たちが、コミュニケーションの一つとして認識されたことを強調し、かつ私もそう思っていることを伝える。そして蔵書の本の変更は、順次やっていくつもりを伝える。

それにしても、私の仕事は棚に上げて、生徒たちの「手話は、言語だ」との意見に明るい未来を感じた。多様性でボーダレスな世界をこれから作っていく若者をみたような気がした。

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