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信者から見た陰謀論12|ロールプレイング

陰謀論の信者が参加しているロールプレイングの目的は
デマを既成事実として広めることです。

信者がやっていることは、探偵ごっこ、ジャーナリストごっこのような遊びに似ていますが、陰謀論によって「真実」は確定しているので、秘密を暴く必要はありません。敵を悪者扱いすることが主な活動となります。

デマが「真実」
在ったことは無かったことに、在りもしないことを在るように語る。
言い換えると誰かに「意地悪をする」ための言いがかりです。
何も議論が無いところで悪口を言うと、悪者になってしまいますので、
悪意を他者に向けることができません。ロールプレイングに参加すれば、
意見の対立という建前ができるので、罪悪感を感じません。
これが陰謀論が人気になる理由です。

参加条件は正義感
ロールプレイングの前提となるのは、「自分たちは正義」という信念です。
「悪に対峙しているから自分たちは正しい」という思い込みとも言えます。
・自分が嫌いなことは悪
・自分が理解できないことは悪
・自分に不要なことは排除

自己判断で正しいと思えば、すべて正義の行動となります。
不快情報に煽られて、正義感を燃やした多くの人が、
続々とロールプレイングに新規参加しています。

ストレスのリサイクル活動
信者は「正義感」という名の無意味な猜疑心を持って情報を探します。
陰謀論者や他の信者が発信する不快情報によってストレスをため込んで
敵への不信感や疑いを深めます。陰謀論に批判的な人を見つけては
攻撃を仕掛けていきます。彼らの主張は以下のようなものです。

・「真実」が隠されている
・敵は嘘を付いている
・敵は不正行為を行っている

これらがロールプレイングの実体となります。
元々の事実が存在しないので、論理的な正しさは関係ありません。
自分が不快に思う情報に嫌悪感を示すことが信者に求められる態度です。
これらの疑念を基本設定として、敵に人格攻撃を仕掛けていきます。

他者を攻撃することで一時的にストレスを解消できますが、
陰謀論の不快情報によって、またストレスが溜まるので
負の連鎖が止まりません。
他者や社会的な資源を無意味な対立で消費し続けます。

信者をデモプレイ
敵に対する不快感や敵との違いを表現することが信者の狙いです。
基本設定を使って信者と批判者の対話を再現すると
以下のようなやり取りになります。

信者「あの人物は悪事を働いている」
批判者「デマを吹聴するのはやめてください」
信者「デマではない。あの人物は嘘つきだ」
批判者「悪事の証拠があるのですか」
信者「嘘つきが証拠を隠していることを批判している」
批判者「要するに根拠もなく非難しているのですね」
信者「批判の意味が分からないのなら話にならない」
批判者「意味は分かっています」
信者「分かっているなら証拠を出せ」
批判者「あなたが提起した問題です。そちらから先に出して」
信者「証拠もなく非難していると決めつける知性に問題がある」

信者の論法をまとめると以下のようになります。
・「前提」が存在しない
 本来、議論すべき事実が無い。
・論点がずれる
 新たなテーマを次々と加えることで論点をずらす。
・主張が循環している
 テーマの引用を繰り返しているだけで定義が定まらない。
・自他の境界がない
 自分の発言と他者の発言を区別せずに使用する。
・人格否定を目的としている
 敵との差を言語化することで優越感を得て、勝った気分になる。

勝ち負けを公平に判断する人がいるわけではないので、
勝った気分になることが最も重要視されています。

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