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災難山岳部

僕は高校時代、山岳部に所属していた。このアカウントの他の記事を読んでいる人ならわかると思うが、僕は高校時代友達もまともにいなかったので、せっかく親に高い山岳用品を買ってもらって山岳部に入ったのに、結論から言えば、正直つまらなかった(お父さんお母さんごめんなさい)。喋る相手がいない。普段の練習は遠くまで走り込むだけ。
そして、さまざまな不幸も舞い込んだ。今回はそんな不幸体質を語っていこうと思う。

不人気部活

まず初めに前提として、当時はそもそも山岳部自体あまり人気がなかった。というのも、僕が入る前に那須の雪崩事故が起き、危険なイメージがあるから敬遠されがちであったからだと…思う(実際危険だとは思うが)。その影響もあり、我が地元では冬山登山が完全に禁止される自体となってしまった。他の学年では10人近くいたのに、僕の学年では3人程度しかいなかった。

コロナ襲来

これは普通に仕方ない。僕の代で宿泊を伴う登山をしたのは3年間通して1年生(2019)の時の1回のみだった。コロナウイルスの感染が拡大してからは宿泊を伴う登山も禁止されてしまい、その後の登山は春〜秋までの、日帰り登山というハイキング的な何かに成り下がってしまった(言い方)。

山が燃える

登った山が燃えた。翌日の報道にて確認。ちなみに登った日には気温差で腹痛になったり、帰りには鼻水を垂らしまくり風邪を引いていた。なんなんだろう、この人生は。(身体が弱い)

ヒルに刺される

これが一番ビッグな事件かもしれない。●光の山での出来事。ちょうど冷え込み始めた時、ガイドの人からはもうこの寒い季節だし、ヒルもそうそういないだろうという話があったばかりのことだったが…………
登っている最中に右太ももの辺りに違和感を感じたが、まあ軽い靴擦れのようなものだろうと特に気にしてはいなかった。しかし、さすっても傷があるとかどこかに擦れているという訳では無さそうだった。ジャージと靴下をひん剥いてみると、そこからは流血が…………とはいえヒルらしきものは確認出来ず。しかし、特段傷が無いのに血がここまで出続けるというのはおかしいということで、多分犯人はヒル説が強まった。

山を降りてからベンチに座り、ティッシュでダラダラと垂れ続ける血を拭いて絆創膏なりで血をどうにか押さえた。ヒルが厄介なのは皮膚を切り裂かれる時にフィブリンというかさぶたを作るための物質の働きが妨げられてしまい血が固まらず、血が止まらなくなるということらしい。


足止めをさせて普通に部員には申し訳なかったが別に他の面子と仲が良かった訳ではなかったので、特段申し訳ねぇとかお前ヤベェなとか話をした訳でもない。血を必死に止めようとする先生・ガイドさん、僕とそれを待つ部員(多少手伝ってくれた気がする)というシュールな画がそこにはあった。なんとも地獄のような時間だった。

翌日、洗おうとして確認すると、登山靴は何か事件があったかのように血塗れで、磯の香りがした気がする。

ヒルには気をつけよう!

そもそも山岳部に入った理由が人間よりも自然と触れ合うことの方が良いじゃないかとか思っている時点で大分社会不適合者だが、自然にも(?)何故か手痛い仕打ちを食らったことにより、自然をも少し嫌いになってしまった。もし生まれ変わっても山岳部に入ることはないだろう。


最後にはなるが、山岳部に入る諸君、あるいは卒業した諸君の参考か笑い話にこの記事がなれば、幸いである。

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