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レコード針飛び四方山話2

年末年始のご挨拶がままならないままの更新になりますが、
今年もよろしくお願いいたします。


皆さまの針飛び依頼を受けてますと、そのほとんどが重傷状態のレコードが
少なくありません。

①ご自身で修復→途中で断念され更に悪化させたと推測するケース
②元々の傷等が酷いものなど

主に2パターンが挙げられます。

今回はやや後者寄りのお話しになります。


改めまして…
針飛びの原因としての多くは進行方向の溝が傷等で遮られ、
針がそれに引っ掛かりジャンプまたはリピートします。


※今回のお話しは傷が原因ではありますが、直接溝にはあまり触れていない
レアな症例です。


上記画像は直接溝にあまり傷が関連してない 症状時です。


このケースの場合、上の傷は溝まで到達してるため針飛びが起こりますが、
下の場合は溝と溝の間(針が通らない箇所)に傷が入っているため、
通常はノイズこそ乗るものの針飛び等は起こる確率は低いものです。

しかしその傷が深いなどが原因からか、傷自体
『溝の進行方向』と
針が錯覚して針飛びしてしまうことが稀ながらあります。
(※針圧を重くすると改善する場合もあります)



(画像にはありませんが、同じような理屈で溝と 溝の間の箇所に綺麗に長く真っ直ぐに傷が入ってる場合も針飛びすることもあります)



最初は『何故、針飛びが起こるのだろう…?』と 真剣に考えました。
何度見ても針飛びするほどの傷はなし…



そこで針飛びする箇所を何度も何度も検証し、そこが原因と断定。溝と溝の間の
傷は基本的にはどうしようもないため、少しでもそれに触れてる溝部分を微妙な
タッチで進行方向に擦り、改めて軌道修復を図りました。


狙いは見事的中、無事に針飛び修復成功。
原因が分かれば何てことはないのですが、特定までに数時間を要してしまい
修復の奥の深さを改めて知りました。


このように針飛び修正の記事でも触れましたが、『原因特定』は極めて重要です。もしご自身で修復を試みていてこのようなケース、若しくはそれ以外でも難しいと感じられましたら、原因箇所を悪化させないためにもそれ以上は無理しない方が
賢明かと思います。

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