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すすきのの片隅で幕末を思ふ

世界中の活動を一時停止させ、生活を一変させてしまったコロナウィルス。
以北最大の繁華街である札幌のすすきのも本当に大きな影響を受けています。
緊急事態宣言も一旦解除となり、また元気なすすきのへ第一歩・・・

そんな中とても残念なニュース。
すすきのナイトツアーのコースでも周らせていただき、ご協賛もいただいていた、創業68年の札幌第一ホテルが、コロナの影響で2020年6月20日をもって閉館するのだそうです。

第一ホテルの駐車場の片隅に、山の形をした石碑があります。
「飯沼貞吉ゆかりの地」と刻まれています。
飯沼貞吉は幕末、明治新政府軍と激しい戦いの末敗れた会津藩、白虎隊の隊員で、落ち延びた飯盛山での集団自決の際、ただひとり生き残った方です。

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生還後は、明治新政府の逓信省に勤務し、電信技士として日本全国の通信網の発展に尽くしたと言われています。

誤った情報で仲間を失い、情報の大切さを身をもって知る飯沼貞吉が、大変な経験と苦労の末、世のため技士として邁進していった姿は、北海道で初めての公衆電話を設置したなどの物理的な恩恵だけでなく、今を生きる私たちに力をくれる気がします。


第一ホテルが建つこの場所の一角には、かつて逓信省の官舎があり、飯沼貞吉が札幌での赴任時に生活していたとのこと。鴨々川を眺め、川沿いを歩くこともあったのではないでしょうか。関係者が飯沼貞吉を偲び、功績を称えて石碑を作ったそうです。


ホテルは閉館後、土地や建物は売却予定と報道されていました。
すすきのの片隅で、幕末の歴史や札幌の明治時代に思いを馳せることができる石碑が、今後も長く保存されることを願います。


このたびのコロナ禍で、文化的なものは不要不急のカテゴリーに入れられ、中止や延期となっています。

地域の歴史や文化を掘り起こし皆で一緒に楽しもう♪という鴨ノスのツアーやイベントも今年度はお休みとなりました。

安全、健康で、目の前にある日々を生きること、生活を守ることが一番大事という当たり前の再確認が強くある一方で、先人の道から学ぶということや、生活を生活らしく、人を人らしくさせてくれる文化の大事さを忘れたくないなと思うのです。

鴨ノスちょうちん2

(文・TAMA)


★すすきの鴨々川界隈をぼけっと楽しむための雑誌「Bocket」既刊2号~4号(1号は完売)は、すすきののお寺!(新善光寺、東本願寺札幌別院)で販売中。
2号には今回取り上げた飯沼貞吉の石碑に関するコラムも。

ぼけっと

★イベントはお休みですが、実行委員会はじっとできずに?じわじわ活動しています。
You tube鴨ノスチャンネル開設!どうぞお楽しみください♪

https://www.youtube.com/channel/UCqhF0xZJVA3Wx2kqYkv78_w


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