見出し画像

【エフェクターレビュー】Kasleder FX/Time Trap


第2回は引き続きハンガリーのペダルビルダーKasleder FXのペダルになります。今回はアナログディレイ、Time Trap。

ポール・マッカートニーがKaslederさんのペダルを使ってるということは前回書いたと思いますが、それがこのTime Trapの前身になったTime and Againです。Time Trapはその後継機ということですね。

このペダルはそのままシンプルなアナログディレイです。
もう本当にシンプル。ディレイタイムも300msまで、タップテンポもモジュレーションもなし。そのわりには価格が高い(笑)
でもそれでいいんだ、買ってよかった!と納得させられるだけの圧倒的な説得力があります。とにかく音がいい。書いておいてなんですが、実際それしか言うことがないです笑

とはいえそれだけだとなんなので、一応少し。

画像1

まず筐体のデザインがかわいくてオシャレですね。Kaslederのアートワークはすべて彼のパートナーのEszter Budaváriさんがデザインしているそうです。ちなみに通常版はノブがすべてゴールドなので、これはちょっとした限定仕様です。
せっかくなのでポール使用のTime and Againが確認できるReverbの記事へのリンクもこちらに。Time Trapの上品なデザインに比べると、ユーモアが効いてます笑(これもBudaváriさんのデザインだそうです)

コントロールはシンプル&ミニマムな3つだけです。ディレイタイムとリピート回数の設定は一般的ですが、残りはミックスではなくウェットボリュームとなっています。つまりドライのボリュームはそのままで、どれくらいディレイを乗せるかってイメージですね。
シンプルな分、操作は簡単ですぐに感覚をつかめると思います。

音質はウォームでクリーミー。濃厚です。発振も太い。ドリーミーと言ってもいい(?)
もちろん音量設定次第ではさり気なく使うこともできます。
基本的に上品なんですが、発振だったりグリッサンドだったり、弾き方/タッチ次第ではタイムマシンっぽいサイケなニュアンスも出すことができます。弾きながらディレイタイムを回すのも面白いです。

自分の場合、ベースにフラットワウンド弦を貼っていてサステインが気持ち短い時があるので、残響を追加するのにも使ってます。リバーブとはキャラクターの違いと気分で使い分けるor同時に使う感じですね。
ソロっぽいフレーズだったり、重音、ピック弾き、パームミュート+ピックだったりで使うといい具合に空気感を足すことができます。どちらかというとピック弾きの方が輪郭を最初に出せるので使いやすい気はします。
他だとボリューム奏法なんかにも合いますね。チェロだったりコントラバス、オルガンみたいなニュアンスが出せます。ミシェル・ペトルチアーニとのトリオでアンソニー・ジャクソンがやってるあの感じです。
あとはフレーズ弾いてる途中に急にディレイタイムを回したり、もうフレーズ弾くのを放棄して発振させるのも最高です。

画像2

Freaky Stoneでは「TO」だっとところが「FOR」になってるあたり、ユルさを感じて好きです笑

まとめ
他にもいくつかディレイは持っているんですが、アナログディレイの王道的な機能と音質にかけてはこれが圧倒的かと思います。最初の方の写真にも上げたように、Time Trapとプリアンプだけで基本的なところはおさえられるのでは?と思うくらい気に入ってます。あと発振が気持ちいい。一度キュインキュインさせはじめると、戻れずにずっとキュインキュインさせちゃいます。
DM-2の初期型だったりMemoryManの全盛期と同じタイプのチップを使ってるらしいので、アナログディレイが好きでそのへんに憧れてるけどヴィンテージペダルはちょっとハードルが高いという人はぜひ。テンポ同期?しゃらくせえ!という人もぜひ。

面白かったら投げ銭をいただけると励みになります〜。 記事につかえる時間が増えて、さらに切り込んだ内容にできる…はず。