究極のコブシを求めて 後編

このように、マレーシアでは、
ポップス、伝統音楽ともに盛り上がっている感じなのですが、
隣のインドネシアからは、
あまりそういった情報が入ってこない。
伝わってくるのは、
「前編」でも書いた、ダンドゥットについてのみ。

私がワールドミュージックを聴きまくっていた登場、
赤坂で行われたダンドゥットのライブを観に行ったことがあります。

ネットで、日本では珍しいダンドゥットのライブが開催されると知ったので、
メールで申し込みました。
しかし、いくら待っても何の返事もありません。
果たして、チケットは取れたのかどうか??

さて当日、赤坂のとあるビルの地下一階にあるライブハウス、
そこがダンドゥット・ライブの会場です。
外国人が続々と階段を降りて行きます。
というか、外国人しかいない!

私は迷いました。
私も降りて行くべきか、
それとも帰るべきか……

何度も入口の前を行ったり来たりしました。

そして、意を決して階段を降り、
ライブハウスに入りました。

チケット予約のメールについては、
結局よくわかりませんでしたが、
ともかくライブ会場が満員の訳もなく、
普通にチケットを買って入れました。

会場の中は、満員ではないものの、
かなり客が多かったです。
でも、9割以上が外国人…
多分インドネシア人…

場違いな感じで縮こまりながらも、
ライブは面白かったです。
チープなキーボードのサウンドと、オッサンの歌声。
ライブハウスも盛り上がっていました。
日本で唯一のダンドゥット・バンドの演奏ってのもありました。

私にとって究極のコブシ、
マレーシアのシティ・ヌールハリザを発見できたものの、
私の音楽を求める旅は、
もう少し続きました。

次は、インドです。
インドまで来てしまうと、
もうまるっきり(音楽)文化が違う。
誰が聴いても「インド」って感じ!
よくインド料理店で現地の音楽ビデオを流していますが、
そんな感じ。

インド音楽も素晴らしいのですが、
これはもうアジアの音楽ではないね、
ってことで、
私のアジア究極のコブシを求める旅は終わりました。 

今でもタマに、ヌールハリザやダンドゥットの曲を聴いたりするのですが、
ちょっと心配なのは、
Youtubeの検索で引っ掛かる動画が、
10年前とまるっきり変わっていないこと。
ただ単に私の検索技術が低いだけなのか、
それともこれらの文化はもう廃れてしまっているのか…
ちょっと心配なのでした。

(おわり)

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