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エルドリッチについて

初めまして。

ナオヤと申します。

今回は、エルドリッチについて個人的な振り返りも兼ねて書いていきたいと思います。


・経緯について

此処では、現環境にて何故エルドリッチを使用しているのか語っていきたいと思います。

現代環境において、エルドリッチを使用するのは馬鹿げてると思われる方も多いかと思います。

そんな中、エルドリッチを使用したのには2つの理由があります。

理由その①【彼女とのやり取り】

以下その流れです。

彼女は、エルドリッチが好きだから使用しているのですが現代環境にて勝率が著しく低下し悩んでいました。

彼女「エルドリッチ、弱くなったし勝てない!」

俺「エルドリッチは弱くなってないよ、構築とプレイで勝てるよ。」

彼女「じゃあ、結果を出して証明して。」

彼女「暫く遊戯王休止する!」

俺「じゃあ、エルドリッチ貸して。大会持って行くから」

理由その②【思考の答え合わせ】

エルドリッチと言うテーマは、場の破壊、墓地除外、破壊以外の除去手段、高打点持ち、カウンター無効罠と妨害手段や攻め手において全体的にバランスの取れたものとなってます。

この様に、テーマ内にて妨害の幅が効くデッキはどの環境でもある一定のパワーラインを発揮出来ると筆者は考えており、その答え合わせを行う目的もありました。

以上、2点の理由により使用しています。

・構築について

2024/01/14使用構築

コチラの構築は【第32回KintaCS】にて使用しました。

今回、名推理型のエルドリッチを使用しています。

名推理型を構築した理由ですが、現代環境はどのテーマもリソースを増加しやすく、度重なる永続罠の規制でロングゲームは見込めないと判断した為です。

その為、《名推理》でエルドリッチの墓地リソースを増やしつつ《トランザクション・ロールバック》と《紅き血染めのエルドリクシル》でキルターンを縮める目的で組み合わせました。

ですが、上記組み合わせだけでは《トランザクション・ロールバック》を最大限活かせないので、付随的な形で《ダルマカルマ》や《天龍雪獄》等のパワーが高く今期にマッチしてそうな汎用罠(破壊以外の妨害手段)を採用しました。

こちらの構築を使用した【第32回KintaCS】での戦績は2-3と渋い結果でしたが、デッキのポテンシャルは十分にあると判断しました。

その理由が、下振れを除いて名推理を使用したデュエルは基本的に勝つか、後述するプレイング面での練度不足による敗北が多かった為です。

上記の理由から、「エルドリッチ」と言うテーマのリソース力は現代環境にも通用すると感じました。

ただし、採用カードが環境に対して不適切であった事で負け越してしまう形になりました。

その大きな要因は既存の永続罠です。

今期は、《群雄割拠》以外の《御前試合》や《センサー万別》は1枚単位のカードパワーとして50%を下回ってると感じました。
(炎王や粛声が分布増やしてる環境なので、当然と言えば当然ですが…)

よって、デッキの形は崩さずに適切なカード選択を行った構築で次のCSに挑む事を決めました。

2024/02/10使用構築

コチラが【第33回KintaCS】にて使用した構築です。

前回の構築との変化点は、モンスターが《パンクラトプス》から《ラヴァゴーレム》に変わってる事と通常罠の枠として《激流葬》の採用、そして《天龍雪獄》の増量、永続罠枠として種族・属性縛り系統のカードを全て抜いて代わりに《手違い》を採用しています。

エクストラデッキは、《ガンガリディア》や《カオスアンヘル》、その他リンクモンスターを減らして融合モンスター2種に加え新弾にて登場した《ヴァルドラス》を採用しています。

まず、メインデッキから説明します。

モンスターを《パンクラトプス》から《ラヴァゴーレム》へ変更している理由は、3点程あります。

①《パンクラトプス》では、1枚しかカードを除去出来ない事から後手におけるパワー不足を感じました。

②名推理時、確実に《エルドリッチ》へアクセス出来るようにする事で先行《ヴァルドラス》+伏せカードの布陣を現実的にする為。

③粛声など多面展開するデッキに対して後手のパワー上昇によりメイン戦の後手でもワンチャン勝ちを拾える様にする為。

以上の3点により、モンスターの枠を変更しています。

次に通常罠の枠ですが、前回のCSにて名推理を使用したものの《トランザクション・ロールバック》+《紅き血染めのエルドリクシル》の組み合わせで落ちる事は多くとも《トランザクション・ロールバック》+《汎用の通常罠》の組み合わせで落ちる事が全体的に少ない印象でした。

《トランザクション・ロールバック》+《紅き血染めのエルドリクシル》の組み合わせも充分強いのですが、コレだけでは《トランザクション・ロールバック》のカードパワーを最大限に活かせないと考え通常罠を増量する事にしました。

そこで注目したカードが《激流葬》と《天龍雪獄》です。

元々、《激流葬》は炎王に対して通用しないと考えて不採用にしていました。

ですが、不採用にした事で炎王以外と対面した際に「相手の面に触れる事が難しくなり負ける」と言ったゲーム展開が目立ってた印象でした。

この問題を解決する為に1:X交換が可能な《激流葬》を採用する事にしました。

とは言え、炎王に対する《激流葬》は以前微妙な立ち位置なので2枚採用で抑えてます。

続いて《天龍雪獄》についてですが、コチラは前回のCSで使用した際に使用感が良かったと言うのは勿論ですが、スネークアイギミックに対して有効打になる明確なタイミングがあると言う事が大きいです。

そのタイミングと言うのは、《スネークアイズ・ポプルス》《スネークアイ・エクセル》からの展開で《リンクリボー》を経由する際、墓地に《スネークアイズ・ポプルス》が存在する事が多く《スネークアイズ・ポプルス》《スネークアイ・エクセル》を纏めて除外する事で《スネークアイズ・フランベルジュ・ドラゴン》を絡めた展開を阻害する等の事から、充分に有効打になり得ると判断しました。

このような理由から採用を決めました。

メインデッキ説明の最後に、永続罠について説明します。

前回の構築では、《御前試合》等による種族・属性縛りがメインとなってました。

種族・属性縛りはメインデッキが統一されていてもエクストラデッキの《リトルナイト》等を使わせないと言った縛りを設ける事は出来たものの拘束力は弱く、微妙な印象でした。

とは言え、通常罠による妨害だけでは妨害リソースが途切れる事で負けてしまう場合が経験上に多く有ります。

その、妨害リソースの途切れを緩和する為にも持続的に拘束し続けるカードが最低枚数は必要だと考え永続魔法・罠を探してた所で《ミステイク》を見つけました。

ですが、《ミステイク》は先行1ターン目こそパワーを発揮するものの「後攻、もしくは盤面を荒らした後だと微妙ではないか?」と考えてました。

所が、実戦してみると追加の攻め手を用意する際にサーチ行為を行っている事が割とあり、先行1ターン目以降もカードパワーが100%では無いものの追加の攻め手を阻害する事から《御前試合》等と同様の役割を与えられると考え採用を決めました。

続いてエクストラデッキの説明をします。

炎王や粛声に対する対策札としてサイドボードに《超融合》を採用する為、《超融合》とセットで《共命の翼ガルーラ》《沼地のドロゴン》を採用しました。

それに合わせ、融合体2種の採用枠を作る為に《ガンガリディア》等を抜く事にしました。

次に、新弾で登場した《終戒超獸-ヴァルドラス》ですが、先行時における妨害リソースの偏りを無効妨害へ変換する事で妨害の密度を底上げする為に採用しました。

《名推理》1枚から《トランザクション・ロールバック》+《紅き血染めのエルドリクシル》が落ちるだけで場に出せるので思ったより簡単に出せる印象でした。

《名推理》を打つ事で《トランザクション・ロールバック》+《紅き血染めのエルドリクシル》が落ちた際の動きを軽く説明します。

(Lv10宣言されたと想定します。)
①《トランザクション・ロールバック》で《紅き血染めのエルドリクシル》をコピーし、デッキから《エルドリッチ》を特殊召喚。

②《紅き血染めのエルドリクシル》の効果で黄金郷罠をセット。

③《名推理》にて落ちた《エルドリッチ》の効果発動し、②でセットした黄金郷罠をコストに特殊召喚します。

④《エルドリッチ》2体で《ヴァルドラス》をエクシーズ召喚します。

この動きによって、《名推理》1枚から無効妨害を生み出す事が出来ます。

(※因みに、《トランザクション・ロールバック》にて《紅き血染めのエルドリクシル》をコピーした際には《紅き血染めのエルドリクシル》の特殊召喚制約ら付与されない為、可能な動きとなってます。)

この動きが可能な事から、先行時の選択肢の1つとして採用しました。

2つの構築について説明していきましたが、どちらも《名推理》を使用しています。

何故《名推理》を採用したのか、【構築について】のまとめとして説明していきます。

エルドリッチを使用するに当たって、構築を考える序盤にエルドリッチを使用する上で同じ罠を活用する「ラビュリンス」、永続罠を多用する「神碑」との差別化が必須と考えました。

多彩な罠等を採用した構築で戦おうとしても大まかな括りで戦い方が類似する「ラビュリンス」と比較した際にテーマ内でワンキル火力を用意出来るラビュリンスに対して、「エルドリッチ」はテーマ内でワンキル火力を用意する事が極めて困難な為に「ラビュリンス」の劣化となってしまいます。

《御前試合》等の永続罠を多用した構築で戦おうとしても「神碑」のデッキ破壊やETEDのライフレース、それらに軍配が上がりこちらもまた「神碑」の劣化となってしまいます。

これらの事を考慮し、差別化をするのであれば《名推理》を採用し墓地リソースを活用する他に無いと考えました。

そして、実際に構築して回してみると《名推理》を採用する上での色々な利点が見えて来ました。

①「エルドリッチ」ギミックのリソースの回転率向上、それに伴うキル速度の上昇。

②《トランザクション・ロールバック》と《紅き血染めのエルドリクシル》によるアンデット族以外の特殊召喚不可能な制約を無視した展開。

③墓地に《トランザクション・ロールバック》+通常罠が有るだけで対面に対する牽制となり得る。

④《次元の裂け目》発動下であっても、墓地リソースを溜める事が可能で、それにより《紅き血染めのエルドリクシル》+《黄金郷のコンキスタドール》の構えで裂け目の突破が可能。

⑤《名推理》の上振れによる勝率の底上げ。

⑥《名推理》に名称ターン1が無い事から、重ね引きによる《灰流うらら》等の妨害を貫通。

⑦先行1ターン目の《終戒超獸-ヴァルドラス》が現実的なレベルの妨害プランとなった。

これらの利点により、「エルドリッチ」だからこその戦い方で「ラビュリンス」や「神碑」との差別化を出来たと感じてます。

・プレイについて

コチラでは、プレイする上で考えていた事等を書いていきます。

①【時間管理】

現行のマッチ戦は40分制限+ETEDですが、エルドリッチはテーマ内のサーチ手段及び神系のカウンター罠、《トランザクション・ロールバック》により自傷ダメージが発生する為、ETEDに対して脆くなりやすいです。

なので、ETEDの突入を避ける時間管理が必要となります。

その時間管理を行う上で、筆者が独自に設けてる設定時間があり、マッチ内における1デュエル毎に10分制限としています。

この思考でプレイする事で、10分×3デュエルだとしても30分と10分程の余裕が生まれます。
(※この10分の内にサイドチェンジ時の時間も含みます)

また、時間制限に余裕が生まれると心にゆとりが出来るのでプレイミスのリスクも下がると考えています。

但し、1デュエル10分となると罠ビを使用する場合は1ターン毎のプレイ時間は短くなります。

仮に、お互いのターン数を5ターンずつだと仮定すると合計10ターン。

対戦相手も同じプレイ時間で返してくれたとしても1ターン1分で思考からプレイまで行う必要性があります。

その際、対戦相手が1ターンのプレイ時間に2分消費したとするならばコチラはほぼノータイムで思考からプレイまで行う事になるので、かなりシビアです。

筆者も上記プレイを意識して練習中なのですが、完全に会得までは時間が掛かりそうだと感じています。

以上、時間管理に関する話でした。


②【キルプラン】

エルドリッチは、デッキ性質上ワンキルが難しく、ライフキルにはどうしても2~3ターン必要になって来ます。

なので、数ターンに渡って攻める為にも「次のターンには〇〇ダメージ、その次のターンにはライフキルを狙いたいからこのターンで〇〇ダメージを与えられるように動こう」と言うような数ターン越しのキルプランを意識してプレイしていました。


③【状況判断】

現在のエルドリッチは、度重なる永続罠の規制により、永続罠を引き込む事が困難となってます。

その為、人によっては神系罠を採用したり通常罠を多用する様な構築が多いです。

その結果、プレイ難易度は以前と比べて跳ね上がってます。

以前までは、《スキルドレイン》を筆頭に永続罠を発動していれば勝ててたような試合もありましたが、現在は永続罠を引き込めずに負けると言う試合も増えてます。

その為、永続罠以外の妨害カードの使い方に勝敗が委ねられる状況が増えました。

その上で、永続罠以外の妨害カードを使用する際にその場その場での繊細な状況判断が欠かせないと感じてます。

例えば、コチラの妨害カードに《激流葬》があったとして、相手の動きの何処に打つのか。

「初動に打つのか」

「初動に打たないなら何処まで引き付けるのか」

「引き付けた場合に相手のリソースを何処まで減らせるのか」

それらの打ち方一つ一つに対して場、墓地、手札、相手ライフの情報から状況判断する必要があり、殆どの場合においてケースバイケースとなる事がある為、とても繊細で難しいと考えてます。

ですが、その状況判断に成功した場合は勝ちに繋がる事が多いです。

なので、この状況判断を間違わないよう常に意識してました。

・まとめ

今年(2024年)に入ってから真面目にエルドリッチで取り組んでましたが、現環境でもプレイと構築を日々洗練させていけば戦えると感じました。

ただ、プレイと構築の両面において考える事が多く難しいテーマなので、負け越す事もあるかと思います。

ですが、決して「エルドリッチ」のテーマパワーが低い訳では無いので「エルドリッチ」を好きな方は諦めずに使い続けてあげると嬉しいなと思います。

ここまで、読んで頂きありがとうございました。
🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️