サイボウズOfficeのデザイナーとして2022年を振り返ってみた
ご無沙汰しております。サイボウズのデザイン&リサーチグループの UIデザイナーの kamimuでございます。
2021年 8月に中途デザイナーとして入社して気づいたら 1年(以上)が経過しました。月日の流れは早い!
そこで振り返りの意味も込めて直近での業務のお話や、1年経って改めてサイボウズに思うことなど取り繕うことなくお話したいと思います。
2022年どんなことやってた?
サイボウズ Officeを担当するデザイナーは、他製品デザイナーに比べ複数の製品を兼任することが多いです。
2022年特に注力したものを、続けてひとつづつご紹介していきます。
①サイボウズ Office PC画面の改善
サイボウズ Officeのデザイン/リサーチチームはこの記事を執筆している現在でデザイナー 2名、新卒デザイナー 1名、リサーチャー 1名といった構成になっていまして、私 kamimuも現在サイボウズ Officeのプロダクトデザインを担当しております。
コアの機能は完成されつつある製品ですが、まだまだ改善の余地がたくさんある製品なので PMと一緒に PBIを眺めながら改善のタネについてよく議論をしています。
『具体的にはどういった改善をしているの?』と思われる方にかんたんに説明すると
ユースケースに基づいたレイアウトや UIパーツの改善や提案
不具合改善のためのデザイン調整
アクセシビリティ改善に伴うマークアップの修正
などこれらは一部ですが挙げられます。
PBIの粒度によってエンジニアだけで完結してリリースできるものや、デザイナーが事前にプロトタイプを用意するもの、リサーチャーと一緒に動くものなど様々ですね。
(ちなみに基本的に 1年に 4回ほどアップデートを行っていまして、具体的な改善内容は公式のアップデート情報にも載っていたりします。)
溜まってしまった負債を改善するのでデザイナーとしてはやり甲斐はある一方、サイボウズの中でも一番歴史の長いプロダクトということで年季がかかった負債に対しては頭を悩ませがちです。
特に長年動いている機能は影響範囲が広く、改善の手段が限られてしまい即時解決が難しいという現実的な問題にしょっちゅう直面していてデザイナー泣かせな一面もあるプロダクトだったりします。
例えば、よく利用されている機能であるスケジュールの予定新規登録のフォーム画面をもっとよくしよう!と考えてもレガシーなコードの影響で部分的な改善が難しく大規模なリファクタリングが必要になるため撤退😭などはよくありますね。
ただ、このあたりは悲観しているだけではなくベストな形で解決できるように水面下でひっそりとアクションを起こしています。(ご期待ください)
②サイボウズOffice モバイルアプリ版開発
「サイボウズ Office 新着通知」という名前で数年前からネイティブアプリをリリースしているのですが、コンセプトやデザインを一新したリニューアル版をこの度 2022年の 5月に iOS版と Android版の両 OSでリリースを行いました。
従来のアプリではほとんどのページを Web Viewで実装していましたが、今回はネイティブアプリ文脈でデザインを改善できる部分は率先して着手する方針でリニューアルを行っています。
こちらもどういったことを行っているかというと
PMと連携を取りながら開発スケジュールなどの全体を俯瞰したプランニング
リサーチャーと UXリサーチを行い、機能や開発の方向性を模索
エンジニア、QA、デザイナーがこまめに顔を合わせバックログのプランニング
Figmaでのプロトタイプ、デザイン制作
デザイナーのアウトプットをベースにエンジニアと実装に向けた相談
などモバイルでも PC版と似た形で上流からデザイナーが関わっていく機会が多いです。
現在は iOSと Androidにそれぞれ専任の職能が付きバックログも OSごとに別れて制作を行っていますが、そのため OSごとに別れたグループ内での連携やコミュニケーションが非常に重要となってきます。
それらの重要性を意識して開発中のチームのコミュニケーションを円滑にするためにエンジニア、QA、デザイナーが毎日気兼ねない会話ができるような環境作りや心理的安全性の確保に率先して取り組みを行いました。
具体的には3つの職能が顔を合わせてバックログのプランニングをする機会を増やしたり、全員が集まりスプリントの終わりに開発した画面をOSごとに紹介する際は実況スレでお気持ちを自由に書きあうなどのコミュニケーションを地道に続けたおかげで、最近では効率的かつとても雰囲気が良い開発をチームで行えているなと感じています(当社比)
モバイルからサイボウズ Officeのサービスに触れたときの最適な表現と心地よいユーザー体験をデザイナー含めチーム一丸で提供できるよう努めています。
③メールワイズ 新機能追加など
メールワイズとは複数人がいるチーム内で顧客のメール共有など便利に利用できる弊社謹製のメール管理サービスです。
こちらのメールワイズもサイボウズ Officeデザインチームが担当しておりまして、実装後に好評いただいている「送信予約機能」のデザインやヘッダー・表層部分のビジュアルアップデートなどに 2022年は携わることができました。
特にビジュアルアップデートについては、以前から社内外でレガシーなビジュアル面について厳しい声を頂戴してたのですが見た目の改善を行う機運が高まり、まずは影響範囲の少ないところから着手しようということでデザイナーとベテランエンジニアで協力しながら進めていきました。
リリース後はユーザー様から概ねポジティブな意見をいただけたのが良かったですね。
旗振り役を買ってくれた先輩デザイナーの松井さんには感謝です。
④チームビルディングイベント
製品をデザインした話ではないのですが、日帰りのワークショップを行うチームビルディングイベントを10月に実施しました。
コロナ禍ということもあり弊社はリモートワーク中心で全国各地の自宅から業務行うのがデフォルトになっています。
Officeデザインチームも例外ではなく ZOOM越しで会話をするのが日常となっていましたが、チームメンバーの関係性強化を目的に「メンバー全員の中心地点の名古屋に集まってみようか!」という流れになり日帰りでチームビルディングイベント開催することに。
kintoneデザインチームも、昨年は京都に集まって開催していたやつですね。
「普段話すことができないことをみっちり話そう」をテーマに、当日は現状の課題整理・理想の状態とその状態に持っていくまでのプランニングと具体的なアクションについて各メンバーがみっちり語り合うワークショップを実施できたおかげで濃い時間を過ごすことができました。
ZOOM越しで会話しかしてないメンバーと実際に直接話すことで安心感と心理的安全性が生まれ、チームワークというものについて改めて考えさせられた一日でした。
ちなみにチームビルディングのための費用(交通費や宿泊費など)を会社が全額負担してくれる「チムビル制度」を利用して今回開催できました。
(ありがたいです…)
1年働いてわかったサイボウズ
2022年はひたすら突っ走ってサイボウズ Office関連の業務を行っていてなかなか振り返りをする時間が取れなかったのですが、ここからは割と私的な意見などが入ってくる「1年働いてみてわかったサイボウズへの感想」です。
サイボウズで 1年働いてみてまず第1に思ったのが、入社前はいい意味でも悪い意味でも大企業!っていう印象が強めだったのが入社してみるとかなりボトムアップの文化が強く、入社前の印象がひっくり返ったというのがあります。
現場で「これやろうぜ!」って話をして行動を起こしたことが部署全体や会社全体に波及していく光景を普段業務中でもよく目の辺りにするのでこれは割とリアル情報です。
あとはシンプルに分け隔てなく親切な人が多いので、業務上困ったこととかがあった際にサポートしてもらえたり部署を超えてフォローしていただけたりする点はものすごい助かってます。
先日 UXリサーチャーのさとゆうさんと収録したデザイン&リサーチ Podcatでも 1年入社してどう?というテーマで雑談をしているので、興味ある方はこちらも是非チェックしてみてください。
今後の課題など
サイボウズOfficeデザインチームの課題としては大きく2つあります。
サイボウズ Officeの PC画面では諸事情でレガシーなデザインやコードが多く存在し、ユーザー体験を向上できる余地がまだまだたくさんあるプロダクトだと個人的には思っています。
サイボウズ Officeのテーマでもある「だれでもかんたんに」がしっくりくるような理想的な状態に到達するにはまだまだアクションが足りないため、デザイン自体はもちろんフロントエンド改善といった根幹からの見直しなど含めて 2023年は改善を行っていきたいです。
もう 1つは Officeデザインチームだけの課題だけではなくサイボウズのデザイナー全体の課題とも言えますが、プロダクトの規模に対してデザイナーの人数がまだまだ少なめだと思っているので、デザイナー採用や情報発信も継続して頑張っていき活気のあるチームを目指したいと考えています。
そんな課題はありますが、2023年もサイボウズ Officeを通じて日本の中小企業さんのチームワークを支えられることに貢献できるデザインを精一杯頑張っていきます。
サイボウズでは中途デザイナーを募集中です!!!
上記でも触れていますが、サイボウズではプロダクトデザイナーを募集中です。
チームで協力しながらものづくりを行うことが好きな方、ぜひ一緒に働きましょう!
普段サイボウズのデザイナーがどういう業務を行っているのか紹介されたスライドが最近アップされたので、こちらを読んで頂くとさらにイメージがしやすいと思います。
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