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石油価格上昇は一時的と見る

石油価格上昇についてご質問を多くいただきます。石油価格は、景気回復での需要の伸びが価格を引き上げています。ですから、石油価格の上昇が原因となって経済が悪化する可能性は低いと考えます。石油価格の上昇の要因としては欧州で天然ガスの不足、米国でコロナ禍に加え、ハリケーンの影響でシェールオイルの生産の停滞がありますが、これらはいずれも一時的で今後長く続くとは見ていません。石油輸出国機構(OPEC)は、目先の大幅な増産は避けたのですが、世界の脱炭素が進む前にできるだけたくさんの石油を売りたいと思っており、石油価格が上がり過ぎて太陽光など別のエネルギー源が優位になることを望んでいません。つまり、供給不足による石油価格上昇が続くとは思えません。需要が強いことは経済が強いことを意味しており、悪い影響はないでしょう。石油価格の上昇で物価が上昇し、企業のコストだけが上がるとの心配もあるようですが、3ヶ月から6ヶ月などごく短い期間は別として、数年にわたりコストだけが上昇するとは思えません。需要が強ければ企業は価格を引き上げます。需要が弱ければ生産を減らします。そもそも石油ショック後の石油価格は、長期的には物価との関係が小さいです。ガソリン代が上がってもガソリン販売量が減って物価への影響が小さくなったり、ドライブが減ってホテルの宿泊料金が下がったりするからでしょう。当面市場は色々心配しそうですが、長期投資に影響はないと見ています。
〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕

■KAMIYAMA Reports http://www.nikkoam.com/products/column/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 http://www.nikkoam.com/products/column/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 http://www.nikkoam.com/products/column/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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