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アセットアロケーションって知っておくといいの?

当連載では、これから投資を始めようと考えている資産形成世代のみなさまのお悩みや投資のギモンについて、日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト神山直樹がお答えしていきます。 これまで、株式、REIT(リート)、債券の3つの投資対象や海外投資と為替の関係性についてお話してきました。今回は、それぞれの投資対象をどのような割合で投資するかを決定する「アセットアロケーション」がテーマです。みなさまが投資をする上で大事なことをお伝えします。

アセットアロケーションって何のこと?                アセットアロケーションなどとカタカナで並べられるとなんだか分かりにくいですが、金融資産を「あれこれ持っておくこと」です。あれこれ持っておこうとすると、「どのくらいずつ持っておくか」が気になるところですね。まず、これを決めるには、自分の投資の目的を知っておく必要があります。例えば、世界の成長のリスクを取る代わりに、人々の努力や工夫の成果が配分される株式を持っておくことは、元本保全を目指す債券を持つことと目的が違います。資産(アセット)の中で、貯蓄型の保険や預貯金を含めて、どのくらいの元本保全型を持っておくべきかは、投資の目的、年齢、家族構成、リスクを怖がる度合いなどいろいろな個人差で決まります。金融機関の担当者と相談をする場合でも、自分で決めていく必要があります。一方で、長期的に見てこれから値上がりしそうなものを増やすという考え方もあります。未来のことは確実に分かるはずもないからこそ「あれこれ持つ」のですから、短期で相場を当てることにあまり頑張らないほうがいいのです。
*アセット(Asset)=資産 、アロケーション(Allocation)=配分

アセットアロケーションのメリットは?
金融機関など専門家にアセットアロケーションを任せる場合、投資家であるあなたは、投資目的、自分の資産額、年齢、仕事やこれからの収入の想定などに基づき、全体の計画を行うだけでよく、株式は株式の、債券は債券の専門家に任せることになります。 そもそも、株式や債券など(アセット)が分かれているから、その配分を決める(アロケーション)ことをしなくてはいけなくなるのですが、アセットに区別がある理由は、意外なことに実に人間的なんです。株式と債券を別々に考えるようになったのは、株式と債券で専門家が違うからなのです。もちろん、専門家に任せず、指数に連動する投資信託やETFを使って自分でアセットアロケーションを行うこともできます。


具体的にどうしたらいいの?
まず、「自分はまだ若く資産額が少ないが、余裕資金で増やしていきたい」あるいは「引退直前で資産はある程度貯まったが、これからは取り崩しもするだろうし、年金収入はこの程度だろう」など自分の状況を把握しましょう。その上で、ざっとアロケーションを考えます。ここではふたつの簡単なやり方を紹介します。ひとつが「株式・REIT・債券」の3資産を三等分で持つことです。もうひとつは、日本株、外国株、日本債券、外国債券を4分の1ずつ持つことです。それぞれをETFでばらばらに持っても良いですし、全部が入っている投資信託を探すこともできます。一時的でも損失が嫌いな人は、リスクのバランスがとれた(結果として債券の配分が多い)バランス型の投資信託を選ぶのも良いでしょう。探せば探すほど迷うのですが、ポイントは「世界中に幅広く」「株式が含まれた」「バランス型」をまず見つけてください。自分でETFを使ってアセットアロケーションをするのなら、世界の株式や世界のREIT、世界の債券に投資するETFを探してできるだけ幅広くなるように考えてください。そして、以前お話したように、リターンの目安としてはインフレ率プラス3%程度を意識するといいでしょう。

まとめ                               自分の状況と投資の目的に合わせて、世界の株式・REIT・債券に幅広く目を向けて投資してみよう。

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