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本はいつ亡くなっても不思議はない
(20200218記)
かねて言ってきたことだが、編集者や書店員たちがどんなに力み返ったところで、紙がなくなれば本は即死する。
銀塩写真の衰退を目の当たりにしてきた私にとって、それは絵空事ではない。
どんなに美点を称揚しようとフィルムと印画紙の生産がストップすれば、銀塩がそれまでの市場規模を維持できなくなるのは自明のことだった。
デジタル化が、デジタル分野の技術的向上だけでなく、アナログ分野からのプレーヤーの退出を両輪に進んできたことを我々は忘れがちだ。
紙の本による出版が、産業として成立しなくなる(現在の市場規模を維持できなくなる、いや、すでに出来なくなっているという指摘はあろうが、まだまだ頑張っていると十分に言える)日は意外と近いのかもしれない。
例えば、グレタ・トゥーンベリさんが「地球の環境を守るために紙の利用をやめよう」って言い出したら、世界がどう反応するかとても興味がある。
紙は木から出来ており、抄造過程はもちろんリサイクルの際にも大量の化石燃料と水を消費する、SDGsの観点から、人類は紙と決別すべきだ、なーんて(笑)。
私は二〇年以上、本文用紙はメヌエット・ライトクリーム一筋である。
これが無くなったら本作りやめていいですかね、私…
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