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第5回神谷学芸賞発表

(2017/12/16記)

 いつの間にやら五回を数える神谷学芸賞。以前は私の誕生日前後に発表されていたのだが、二年続けてサントリー学芸賞の翌日に発表されることになり、まったく世間の注目を集めることはないが、性懲りも無く今年も発表だ。

◆金の神谷賞
 苅部直『「維新革命」への道』新潮選書


◆銀の神谷賞
 戸部良一『自壊の病理』日本経済新聞出版社


◆政治経済部門
 遠藤乾『欧州複合危機』中公新書 ★
 齋藤嘉臣『ジャズ・アンバサダーズ』講談社選書メチエ
 阿南友亮『中国はなぜ軍拡を続けるのか』新潮選書 ★


◆社会風俗部門
 新倉貴仁『「能率」の共同体』岩波書店
 尾原宏之『娯楽番組を創った男』白水社 ★


◆歴史思想部門
 京樂真帆子『牛車で行こう!』吉川弘文館
 河野有理『偽史の政治史』白水社 ★
 岡本隆司『中国の誕生』名古屋大学出版会 ★
 小山直子『フロックコートと羽織袴』勁草書房
 麻田雅文『シベリア出兵』中公新書


◆自然科学部門
 國分功一郎『中動態の世界』医学書院 ★
 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』光文社新書

 政治経済部門がともに新書・選書であることには忸怩たる思いがなくもないが、非常に優れたサマリの背景にある、膨大な情報と思索の蓄積には素直に敬意を表したい。

 苅部、戸部、國分作品は、近年でも特筆に値する読書体験の三傑であった。

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