嘘はついてはいけないが、裸踊りをする必要はない。
これは私が私よりも若い人やベンダさんがやらかしてくれた時に、必ず言うことです。
障害発生時や、トラブルが起こった際にトラブルシューティングを最優先にして、お客様の最終顧客に迷惑が少なくなる様にするのは、まずやるべきことです。まぁ、これができないベンダさんや若い人がいかに多いかは置いておきます。
一旦現象が治った後で必ず行われるべきなのは、原因究明と再発防止策の検討です。もちろんその後に、リスクと必要なコスト、発生頻度の検討を行なって、どの様な対策を打つのかが決まるのは、以前お話しした通りです。
ところでこの原因究明と再発防止策の策定の時に、若い人とベンダさんがまずやらかす間違いがこれです。
「裸踊り」
兎に角「怒られたくない一心で」、聞かれもしない内幕まで全部ゲロってしまうのです。はっきり言って、お客様が聞きたくない裏側の事情まで言う必要はありませんし、さらにはこちらの怒りに油を注ぐことも多々あります。
トラブルや障害の後始末で、嘘をつくことは絶対にダメです。
これは結構すぐにバレます。
聞いている間に大体これは「嘘」で、これは「本当」だというのは見当がつきます。
だから言うのです。
「嘘は絶対に言ってはいけないが、裸踊りをする必要はない。」
これは日々現場で苦労されている皆さんに、是非とも理解しておいていただきたい事です。お客様は怒ってはいるものの、あなたと同じ船乗っています。だから究極にはあなたの味方です。兎に角今なんとかしなければならない。この障害やトラブル時点では、確実にあなたと同じ方向を向いています。ですから敵ではありません。
お客様が敵になるのは、あなたが持つ「恐怖心」のためです。
あなたの持つ「恐怖心」が、お客様の「不審」を呼び寄せ、敵に仕立て上げるのです。
ですから「恐怖心」ではなく、「事実」を淡々と見て、粛々とやるべきことをやれば良いのです。その姿にお客様は「信用」し、あなたの味方になります。
私はビジネスの世界に飛び込んで、常にトラブル処理に放り込まれて来ました。その上で知った、一番大事なことはこれです。
「嘘は絶対に言ってはいけないが、裸踊りをする必要はない。」
いやむしろ、「裸踊りをしてはいけない」のです。
「裸踊り」は、「私は良い人です。悪いのは私ではありません。」とアピールしたいだけです。しかし、それはお客様には無責任な態度と映ります。
私は両方の立場に立つことがある為、このことを良く目にするのです。
自分を過度に守る必要はありません。
あなたはすでに組織に所属することで、かなりの程度守られています。
必要なことは、お客様の最終顧客への被害を最小限にすることであり、あなたが怒られない様にする事ではありません。
若い人には、そのことをよくよく理解しておいていただきたいのです。
サポートいただき感謝します。いろいろ困難な時ですが、人様のお役に立てる事を考え、行動していく所存です。宜しくお願いいたします。