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■プロローグだけを読む⑨■ 「9割のリーダーが誤解している スタッフを自己成長させる方法」河原晴樹/M.SLASH・著

 カリスマ美容師ブーム時代から15年が経ち、美容師を志す若者が年々減少しています。少子化も関係はしていますが、主たる原因は、現在の美容界を担っているリーダーたちにあるのだと思っています。

 もし、高校生が親に「美容師になりたいと思っているのだけれど……」と、相談を持ちかけたら、親は何と言うでしょうか。

 もし、高校生が親戚の叔母さんさんに、「美容師になります」と報告をしたら、どんな言葉が返ってくるでしょうか。

 誰もが口を揃えて、「素敵な仕事ね!」「人の役に立てる素晴らしいお仕事ね!」「社会に貢献できるやりがいのあるお仕事ね!」などと大絶賛の言葉を言ってくれるでしょうか。

 ありがたいことに、親や親戚は、その子の将来を考えて、どんな選択でも応援してくれるでしょう。でも、それは本心でしょうか。

 いずれ本人が美容師となり、壁にぶつかり、悩み、時に先輩たちの理不尽な対応に、疑問やストレスを感じたとき、親や親戚は、本当の意味での支えになってくれるのでしょうか。「頑張って続けなさい」と助言してくれるでしょうか。それとも、「だから美容師になんてならなければよかったのに」と言われてしまうでしょうか。

 美容師の離職率が年々高くなっています。

 5人の新人が入社して、2人残ればラッキー、3人残れば奇跡、ともいわれる時代です。

 たとえ、強い志と高いモチベーションを持っている新人であっても、ときにはパワー不足になり、親に相談を持ちかけることもあるはずです。そんなとき、親が味方になってくれるかどうかが、今の美容界の離職問題に、大きく関係してきます。

 新人は、サロン内で起きている様々な出来事を正直に親に話すでしょう。その内容を聞いた親は、先輩や仲間との関わり、関係性を感じとるはずです。

 そして、当人も話をしながら、自分自身で再確認していきます。

 そして自問します。

 このままでいいのだろうかと……。

 リーダーは、新人スタッフに対して、どんな接し方をしているか、自分自身でわかっているのでしょうか?

 昔のやり方をそのまま続けていませんか?

 毎年同じ研修をしていませんか?

 新人は誰よりも早く来て、遅く帰るのが当然だと考えていませんか?

 あなたのサロン運営は、いつのまにか数字中心主義になっているのではないでしょうか。

 その数字をつくってくれているのは、スタッフであるというのに、リーダーとして本当の優しさや信頼関係を持って接しているか、本気で向き合えているか、もう一度自分自身を見つめ直してほしいのです。

 たとえ、あなたがそのつもりでも、スタッフにはどう映っているか、そのギャップこそが問題なのです。

 リーダーには、一刻も早く気づいてほしい。

 「知っているつもり」、「やっているつもり」、「教えているつもり」の自分に早く気付いてほしい。

 スタッフがついて来てくれない、スタッフが育たないのは、実はあなたの行動に原因があるのです。

 この本を最後まで読んでいただければ、改めて、日頃の何気ないスタッフとの関わり方に重きを置いていない自分に気づくことでしょう。

 そして何より、これからの時代に適したスタッフとの具体的な関わり方がハッキリと見えてくるはずです。常にスタッフを思い浮かべながら、最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

2016年11月 河原晴樹


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河原晴樹(M.SLASH)

東京・神奈川にM.SLASH、M.SLASH DAYSPA、VINGTNAILのブランドで複合型サロンを12店舗展開。スタッフ270名。上位25%の顧客で売上の80%に迫るロイヤルカスタマー戦略を展開。ロイヤルカスタマーをインフルエンサーと位置づけ、サロンブランディング、全スタッフの総合教育を行う。講師活動は、日本全国にとどまらず、韓国、中国、台湾などからも絶大な人気があり、JHA2004より5年連続ノミネートなど美容界に影響を出し続ける存在。

美容師さん向けに、カット・カラー・パーマ・トリートメントの基礎&最新技術と経営情報を発信! 『月刊BOB』『月刊NEXTLEADER』を発行する、美容専門出版社です。