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■プロローグだけを読む⑤■ 「美容室の現場力」藤原花妃・著

はじめに

意味がわからないまま「ハイ!」と

返事していませんか?


美容室に限らず、仕事の“現場”ではさまざまな指示が飛び交い意思伝達が絶えず繰り広げられます。

「1年生、元気がないよ。ハキハキ行動して!」

「今月の売り上げ、あと目標まで足りないからがんばって!」

「店長、君の店の提出物集まり悪いよ。ちゃんと管理して!」

そんなとき、みなさん何と答えますか?

「ハイ!わかりました!」

私、藤原花妃は美容業を中心とした新人教育やスペシャリスト育成のセミナーやコンサルティング業を通して、人材育成やサロンオペレーションの組み立てなど“美容室の価値づくりのお手伝い”をしています。年間に講習でお会いする美容師さんやビューティ・コーディネーターのみなさんはのべ1000人以上。たくさんの現場のみなさんと問題解決、成長をめざしてきました。その研修の中で、私は受講してくださるみなさんに

「意味がわからないまま『ハイ、わかりました』と即答しないようにしましょう」

と、お伝えしています。


その心は“無責任なYes”は成長を止める!ということ。

「元気を出しているつもりなのに……。どうしたらいいんだろう」

「去年より売り上げてるのに……!今年の目標高すぎない?」

「管理ってなに?具体的に何をすればいいんだろう?」


冒頭の例では、こんな疑問や考え方を口に出さず、指示の本当のゴールを理解していないのに「Yes」と返事しているのです。これは組織にとって非常によくないこと。相手の真意を理解しないで「Yes」と答えるクセがつくと、お客さまのオーダーの意図を理解しないままわかったつもりになってしまうことも……!

相手の言うことを理解するには、相手の立場で見える目線を知ることが大切。相手の目線を受け取るのがコミュニケーションの本質です。この本では現場で浮上しがちな諸問題を、経営者・店長・スタイリストなどの美容室スタッフ、またはお客さま目線までさまざまな立場から真意を解き明かしています。

この本のゴールは、1年目のスタッフのみなさんでも経営者目線がわかるようになること。経営者目線がわかれば、現場の「なぜだろう?」がクリアになります。意味がわかれば、仕事はもっと楽しくなります。

さぁ、まずは美容室にあるたくさんの目線を整理していきます。


藤原花妃

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藤原花妃

航空会社客室乗務員、カラーコーディネーターなどのキャリアを経てジャパンビューテイーホスピタリティ(有)ドゥエドゥを設立。美容業界に特化したセミナーやコンサルティングで多くの顧客を持つ。特に、新入社員やビューティ・コーディネーター(美容室レセプションのオペレーションに特化した職種)の教育指導に定評があり、年間1000人もの講習経験に基づく独自の“売れ続けるサロンのしくみ”を構築。顧客満足追求から財務、女性の働き方まで「美容室の現場」のエキスパートとして、信頼を集めている。


美容師さん向けに、カット・カラー・パーマ・トリートメントの基礎&最新技術と経営情報を発信! 『月刊BOB』『月刊NEXTLEADER』を発行する、美容専門出版社です。