トリートメント3

お客さまから「ホームケア商品のトリートメントって本当に効くの?」……と聞かれた時に……美容師が知っておきたい★ケミ用語集

美容師は必須、お客さまも知って損はない!
「シャンプー&トリートメント」に関するケミ用語(ケミカル用語)をまとめました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これで完璧☆プロのケミ会話集⑪

お客さま「家でするトリートメントって本当に効くの? サロントリートメントがしたいわ」
美容師「お客さま、トリートメントは毎日ご自宅でなさってこそ●●成分が●に定着するのです。理由は2つあり、1つは髪によいシャンプーはないからです。汚れ、つまり●●を取り除く●●成分を含む、水分で髪を●●させて洗う理由などから、少なからず髪をダメージさせます。ですから、そのつど髪の補修成分を補給しなければいけないのです。
お客さま「そうなのね。紫外線や摩擦でも髪が傷むんだものね。でもその成分は本当に効くの?」
美容師「実はトリートメント成分は、●に溶ける性質を持ち、流れてしまいます。ですが、●●●結合や●●結合といって、繰り返し使うことで定着する性質もあります。ですから1~2カ月に1回のサロントリートメントだけよりも、毎日ホームトリートメントをすることをオススメするのです。

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●●●に何が入るか分かりましたか?
分からない方は下記のキーワードをチェックしてくださいね!
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[トリートメント成分]

トリートメントがどのように髪を補修するのか、メカニズムを解説します。

【毛髪内部への定着・補修】

毛髪の3層構造のうち、コルテックスが損傷してスカスカになったり、キューティクルや細胞同士の接着剤のような役割を果たす細胞膜複合体(CMC)が流出したりした状態の内部補修は、有効成分を補うことで行う。髪が膨潤して毛髪内部にトリートメント成分を浸透させ、水洗で洗い流されないようにするため、毛髪成分と結合される必要がある。

毛髪の主成分はタンパク質であり、その構造はアミノ酸が数百個連なったものである。

①イオン結合

プラスとマイナスが引き合う力を利用した結合のこと。毛髪補修の有効成分であるアミノ酸は、プラスとマイナスの両方の性質を持っており、毛髪内のプラスの成分とマイナスの成分それぞれと、効率的に結合できる。

②疎水結合

水になじまない部分(疎水基)同士が集合することで生じる結合のこと。細胞膜複合体(CMC)は親水基(タンパク質など)と疎水基(脂質)を持っておりこの疎水結合の性質で“毛髪内部の接着剤”の役割を果たす。

先に述べた結合、イオン結合はさらに強いイオン性を持った洗浄成分などにより外れてしまうが、疎水結合はそれよりも強い結合である。イオン結合のみで毛髪と結合するPPT(ポリペプチド:アミノ酸数十個からなる低分子成分)などと一緒になって使用されることで流出しづらくなり、補修効果を高めることができる。

【毛髪外部の補修】

ダメージが進行する最も初期の症状はキューティクルの浮き上がりと損傷といえる。そのプロセスは

1.キューティクル表面に存在する脂質18MEAが流れる

2.キューティクル同士を接着している細胞膜複合体(CMC)が流出する

3.キューティクルそのものが損傷する

といった順序である。特に、1.の18MEAは熱や摩擦、さらにアルカリに弱く、度重なるヘアカラーやパーマ、ブリーチでなくなってしまう。

この場合は損傷個所の表面に被膜をつくるなど疑似キューティクルを補い、そこに18MEAを改めて補うことで、表面の手触りや指どおりを改善し、摩擦などの損傷から守る必要がある。


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