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【クリミナル・マインド 9】ブラック・クイーン – あらすじ

「人はよく自分探しを口にするが、自分は探すものではなく、作り出すものだ」
 精神科医 トーマス・サズ

【感情のトリガー↓】
【ー】ハッキング
】ダブル出勤
】漆黒の女王
】カップ飲料
】まぐれ勝ち

【ー】ハッキング
 今朝、司法省のサイトがハッキングされたという。画面には八人の殺害された娼婦しょうふの画像が、四列二段で写しだされ、一〇年前につかまった犯人の男は無実だと訴えている。
 名前えはラッセル。六十代くらいの貧相な白人男性ではあるが、伝説のハッカーとして裏社会でも有名な人物であった。あの天才的ハッカー・ガルシアも真似するほどだ。
 彼れは刺殺と絞殺をくりかえし、八人の淫売婦いんばいふを殺した罪で、二週間後には死刑がきまっているのだが、それが正しい判決なのかどうかを再検証するため、今も投獄されているカリフォルニア州——サンノゼの街ちに行動分析課BAUは向かうのであった。

【哀】ダブル出勤
 つややかな長い黒髪みに、えりぐりが Vの字 にふかくいた黒のミニ・ワンピース。二名を指名したということで、高級なコール・ガールが同じ格好でやってきた。
 アンティーク性の高い、半自動式のエレベーターで上がってくると、ウッド・テーブルに二人分のワインを注いだクライアントが待っていた。それを妖女ようじょたちに手渡し、笑顔で歓迎すると、女性たちの意識は朦朧もうろうとしはじめる。
 オキシコドン——本来は鎮痛剤として使用されるものなのだが、麻薬と似た作用をもつために劇薬となっている薬物である。
 これが、ワインの中に入っていたのだ。
 気づいたときにはもう手遅れだった。ひとりは床にいつくばり、エレベーターのほうへ亀のようにゆっくり前進していたが、のちにクライアントに連れていかれ、もう一人の遊女ゆうじょのとなりに置かされた。
 大きなキングサイズほどのベッドに寝かされた女性たちは手をつなぎあい、最後の恐怖をともに感じあう。が、さいわい、痛みを感じる感覚はマヒのいきに達しているため、なんども腹部を刺されていたことに苦痛を味わうことなく、ふたりは息絶えたのだ。
 女性の一人は、赤子をこしらえていたという
 今もシッターが付き添っている——
 ついさっきの、みなし子が……。

【驚】漆黒しっこくの女王
 疑惑のラッセルが幽閉ゆうへいされているあいだ、過去と同じ手口で殺された女性の遺体が発見された。
 これは、模倣犯もほうはんによるものなのか? それとも、一〇年ぶりに殺しを再会した真犯人によるものなのか?
 それを知るには当時のファイルが必要だった。が、司法省のサイトをハッキングした “スターチェンバー” という組織のメンバーが、サンノゼ支局のデータをまるまる盗んでいたのだった。
 元ハッカーとして優秀だったガルシアが調べると、ある容疑者が浮かびあがってくる。自分に技術を教えてくれた元恋人の—— シェーン・ワイエス という男。
 ホッチナーは、ラッセルから彼れの所在を聞きだした。
 若いオタク連中のいる薄暗いネット・カフェ。
 突如、ネットつうしんが遮断しゃだんされ、店内はまっくらに包まれる。なぜかパソコンの画面には、ガイコツのCGがまんなかを独占し、ケラケラと笑っている。
 オーナーのワイエスは息をのみ、“アイツが戻った” と言った。
 全身、ダークなゴシック調のコスプレ衣装に身をまとった——かつては、“ブラック・クイーン” と呼ばれた——
 ペネロープ・ガルシアだ

【悲】カップ飲料
 ワイエスという男が、なぜラッセルの事件ファイルを盗んだのか? それは、勝負好きの彼れが、ガルシアの気を引きたいという心の表れのほかならなかった。
 ラッセルが無罪か有罪かなんて、ほんとはどうでもよかったのだ。
 ガルシアは、彼れの勝負好きでナルシストな性格を逆手にとり、スターチェンバーと F B I で、どっちが早く共犯者を見つけるか競争しようと提案した。その条件に、こちらのプロファイルを渡すから、ラッセルのファイルを戻して——と加えて。
 すると、ワイエスは盗んだデータを送ってきた。負ければ F B I の公式サイトに載ってるガルシアとモーガンの頭の上に、靴を乗っけるという条件を彼れはのんだのだ。
 プロファイルに載っていた共犯者の特徴とは、“地下で活動するハッカーの可能性あり” 。ドリンクを持ってきた仲間のメンバーに教えると、その男は “そりゃあ、好都合” と言ってきた。すると、ワイエスは強烈な眠けにさそわれて、その場に倒れこんでしまうのだった……。

【安】まぐれ勝ち
 ワイエスと連絡が途切れたことで、F B I が店内に駆けつける。が、すでに彼れの姿は消えていた。
 ネットの記録をたどったガルシアは、彼れの名義で鎮痛剤が購入されていたことを突き止めた。人工物を口にすることをきらうワイエスが買うとも思えない。そう考えたガルシアは、くすりの届け先を突き止めた。
 シリコンバレーの高級住宅街。
 そこは、ワイエスのような身分では住めないような場所である。
 彼れは今、もう一人の共犯者によって、静脈注射じょうみゃくちゅうしゃを打たれたところだった。そこに F B I が駆けつけてきたのだが、すでにアナフィラキシー・ショックが始まっている。やがて、ワイエスの呼吸が止まった。
 すぐに、リードはエピペンの針をワイエスのからだに刺して、ショック症状の緩和をこころみる。しかし、反応がない。モーガンが心配蘇生しんぱいそせいを試してみても意識はもどらなかった。
 すると、ガルシアがワイエスの耳元でささやいた。
 わ た し が 勝 っ た ——と。
 そのタイミングでもう一度、エピペン注射と心配蘇生をこころみる。
 その時だった——
 まるで、限界までもぐったところから海面上にとびだしたみたいに、ワイエスは息を吹き返したのだ
 おぼつかない口調で彼れは言った。
 あれは、ま ぐ れ だ ——と。

【感想】
 ん〜、DVDで買ったときについてくる、おまけのシーン的な内容でしたね。ガルシアが F B I にリクルートされるシーンや、モーガンとのセクハラ・トークがとりあげられて、慌てふためくシーンが収録されております。
 事件よりもキャラクターにハマっている人には面白いとなるのでしょうが、個人的には刺激のすくない作品でありんした。
 ですが、ほんのちょっとツボったところがありまして、開始5分のミーティングで、がちで笑いをこらえるジェイジェイ。
 そして、開始27分の支局内で、リードとロッシとホッチナーのとった、あのリアクション。
 微妙に笑いを入れてるところが好きですね。

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