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コロナ禍の大学に「黒船襲来」

中高一貫校の高校に英国の大学からサマースクールの案内が来ているという。これまでも、高校生向けのサマースクールはあった。なにが違うかというと、わずか数万円で、オンラインで日本の自宅から参加できるということです。

これまでなら、何十万の旅費、滞在費をかけて参加していたのが、ガラッと変わりました。コロナ禍だからというより、これが英国の大学の新しい人材確保の方法だということです。日本の大学にとっての「黒船」が遂に動き始めたなと思います。

日本の大学が、コロナ禍で対面授業ができず、父兄、学生からの学費値下げの要求をなんとかかわそうとするのに汲々としています。英国など海外の大学も同じような苦境のはずですが、この状況を逆手にとって、これまで以上に優秀な人材を確保しようと戦略的に動き始めるでしょう。

僕は、これを昨年から言ってきたのだが、具体的にその動きが見え始めたのが、上記の日本の高校へのオンライン・サマースクールの案内だと思います。

海外の大学は、オンラインでの授業を日本を含む世界中に公開し、受講生に単位を与え、単位を取り終えた若者には学位を与えるようになるでしょう。「入試」などなく、安い受講料を払えば誰でも授業に登録できるでしょう。新興国には無料で提供するかもしれません。そして、課題をこなし、単位をすべて取り終えれば学位を出すことにはなにも問題はありません。

優秀な学生が新興国にいれば、奨学金を与えて呼び寄せることをするでしょうね。

おそらく、オンラインを使って世界中の大学が、これまででは想像できなかったレベルの激しい人材獲得競争を繰り広げることになるでしょう。

日本は、それについていけるんでしょうか?日本語の授業が大半なので、そもそも対応できないですよね。僕の授業が英語なので、海外に公開しろと言われればいつでもできますけど。

日本の「入試制度」は根底から覆されるかもしれませんね。日本と違い、入学よりも卒業を重視する海外の大学がオープンに授業を行えば、日本の優秀層は入試をするのが馬鹿らしくなり、海外の大学にアプローチするでしょう。

今でも、トップの中高一貫校などでは、「東大はハーバードのすべり止め」って言われてますが、それは加速するでしょう。

日本の優秀な高校生は、海外の大学の草刈り場とされてしまい、日本に残るのは。。。なんてことも考えないといけないですよね。

でも、日本の大学は、とにかくコロナ禍からいかに「緊急避難」するかどうかだけです。なんとも残念な状況です。

僕は、何度もここで書いているように、自分の授業は少しずつ外へ外へオープンにしていっています。

コロナ禍への対応として、できるだけ大学のルールに教員や学生を縛ろうとする動きもあります。この状況で積極的に行動する学生が、叱り飛ばされて抑えられるようなことも頻発してるんですよね。残念なことです。

僕は逆に、ルールに縛られずできる人がどんどん先に行って、新しい大学を創っていくべきだと思います。そうでないと、「黒船」に蹂躙される悲惨な将来が待っていると思いますね。




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