めぐる朔

病院を出ると
いつも
月がいる。
一昨日は猫の爪だったのに
今日は瞳になっていた。
一日おきに見るものが
こんなにも
変わるだなんて。
あらわれて
消えるまで
一か月もかかるのに。

こうして
時間はわたしを置いてゆくくせに
時間でわたしは老いていく。