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紹介したいnote記事「深夜、館山から三茶までタクシーに乗る」

ゆーさんの「深夜、館山から三茶までタクシーに乗る」という記事を紹介します。

 若い頃に働いていた会社を辞める事になったゆーさん。社長が「最後だから」と、四ッ谷の焼き肉屋に連れていってくれたそうです。

 食事を済ませて車に乗りこむと、社長は首都高に乗りました。四ッ谷から、自宅マンションがある三茶まで送るのに首都高を使うなんて、余程急ぎの用事でもあるのかなと、ゆーさんは思ったそうです。

 でも、何だか方向が違う。そして幕張が見えてきた時、三茶方向に向かってはいないと確信しました。それでも「少しドライブしてから帰るのかな」と考え、うとうとと眠ってしまいました。

 社長に起こされた時には、房総半島最南端、館山のラブホテルの駐車場にいました。ゆーさんは「帰ります」と言いますが、社長は「とりあえず、一旦、部屋に入ろう」と。

 社長曰く「明日の朝早く、館山で釣りをするからここで泊まるつもりだ」と。「どうして私も?」と疑問に思うゆーさんに対し「とりあえず部屋に入ろう」と言う社長。社長の押しに負けてしまい、仕方なく部屋に入ったゆーさん。

「明日の早朝4時から約束があります」
「コンタクトのケースを持っていないので泊まることは出来ません」

ゆーさんは強い意志を持って社長に訴えますが、社長も引き下がりません。

「3時間近くも運転してきた後で、今すぐ帰るのは無理だ」
「せめて少し寝かせくれ」

 そう言って、ベッドに横になる社長。

「ムリです!!!私、帰ります!今すぐに!なにが何でも!!!」

ゆーさんの気迫に負けた社長は、仕方なくタクシーを呼ぶことに。深夜に東京まで行ってくれるタクシーはなかなか見つからず、ラブホテルの部屋で気まずい時間を過ごした後、ようやくタクシーが到着。

今でも忘れない。
ラブホテルの駐車場に滑り込むようにして入って来た、月明りに照らされたタクシーのことを。

運転手さんは、私と目を合わさなかったし、一言も話さなかった。
きっと訳アリと思われたんだろう。

深夜、館山から三茶までタクシーに乗る|ゆー (note.com)

 目も合わさず、一言も話さない運転手は、館山のラブホテルから150キロ位離れた場所へ深夜にタクシーで帰ろうとする20代前半の華奢な女の子を、おもんばかったのでしょう。

ゆーさんは、車内から見える月をずっと眺めていたそうです。

 タクシー代は、高速料金も含めて4万5千円位。社長が「釣りは良いから」と、多めに5万円持たせてくれたので、運転手に「お釣りで帰りにお茶でも飲んで下さい」と言って、ゆーさんは車を降りました。

 マンションの部屋に入ると、さっき車内から眺めていた月が見えました。

おんなじ月だ。
あぁ、月はなんでも知ってるってこういう事なのか‥って思いながら、
少しギターを弾いて、眠った。

深夜、館山から三茶までタクシーに乗る|ゆー (note.com)

 年頃の娘を持つ私としては、親目線で読ませていただきました。兎にも角にも「無事で良かった」とホッとしました。

 以前、独り暮らしの娘が深夜0時を過ぎても連絡がつかなくて、妻と二人で「警察に連絡するか」と大騒ぎした事があります。

 結局、少ししてから連絡がついたので、警察のお世話になる事はなかったのですが。娘にしてみれば「心配し過ぎだ」と言いたいでしょうね。

「親の心子知らず」

 私も若い頃は、親に迷惑かけました。親になって初めて、親の深い愛を知るものですね。

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