2021/05/09読書感想「暗幕のゲルニカ」原田マハ著

久しぶりに小説を読みました。

けっこうな文量だったので、本棚の肥やしになっていたのですけど、創作ばかりしてないで読書もしたいな、と感じてて読み始めました。

ピカソの反戦の想いが伝わってきました。そして、その想いを引き継ぐ人たちの想いも。

自分は、MOMA展が東京で開催されたときに一度観に行っていたので、そのMOMAのキュレーターが本書では主人公だったこともあり、いつもより興味を持ちながら読めました。

MOMA展は自分にとっても思い出深いので。

絵は立体表現だということを本物の絵画を観て感じ取れましたし、その立体的に観る目はそれから確実にイラストに活かされています。

さすがにゲルニカの実物は観たことがないですけど、ピカソの作品も観れました。空間が本物より広く描かれていたのは印象的です。

原田マハさんは虚実ないまぜな表現をする方らしいので、どこまでが本当で、どこからが作り物がわかりませんが、本書とは良い出合いだったなあ、と思います。

というのも、自分のかかげる「ほわほわ」な世界も結局、平和でなければ実現しないと思えたからです。

自分は創作していて、「これが何になるんだろう?」と思っていたんですよね。

「お金のため?」とか。

まあ、それは確かに生活しないといけないので、そういう側面はありますけど。今のところお金に繋がっていないですが(苦笑)

とにもかくにも無名の震災を経験した持病持ちの人が創作で何ができるんだろう?って感じました。

でも、そんないわゆる弱者が「ほわほわ」していられる世界って、きっと一般的な人にとっても「平和」なんじゃないか、と思ったわけです。

それなら。

「ほわほわ」した世界を自分の作った中だけでも体現していけば、それはそれでいいんじゃないかな、と思いました。

本書にも「アートは飾りじゃない。武器や暴力に対抗する力になる」といいうようなことが書かれていました。

「ほわほわ」しながら平和な世の中になるよう、アートを創作していきたいものです。