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話題の展覧会や美術館に行くことが怖いと思ってしまう

SNSで話題になる美術館や展覧会は、話題になるだけあって、世界観がしっかり作り込まれていてとても楽しい。
そう楽しいのだ。

でも、話題の場所に行くとその場所や作品に対して”消費”している感覚に襲われる。
とりあえず写真を撮る。スマホに光景をおさめる。
作品についてのインプットをしても、「すごいねー」「へー」で終わってしまう。その作品について思い出すきっかけは、カメラロールを見返したとき。もらったリーフレットは引き出しの奥底に眠る末路。

まるで胃の消化に良いものでも咀嚼しているかのように、文化を”消費”している。
日々色々な情報が飛び交い、文化に触れることが身近になったからこそ感じる感覚。


そんな中、数日前に「恋する惑星」を映画館で見た。

香港を舞台に若者たちのすれ違う恋模様をスタイリッシュに描かれた作品で、1994年の映画。
1990年代に巻き起こったミニシアターブームを象徴する映画監督の一人である、ウォン・カーウァイ監督が自らの手により過去作を4Kレストアするプロジェクトが実施され、映画館で見ることが実現された。


「恋する惑星」は、自分が今まで見た映画の中で一番キュートな映画だった。公開された1994年は、まだ生まれていなくて、自分が想像する1990年代のネオンが光る感じや正しさの境界線が曖昧な感じがそのままスクリーンに映し出されていた。

自分の知らない時代の話とポップなキャラクター設定と恋愛模様が描かれていることにより、絶妙な温度感で”消費”ではなく、”意味を見出す”感覚を味わうことができた気がした。

いい休日だった。


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