【2024/7/16】Orléans オルレアン散策(大聖堂・トラム)
7月にパリからオルレアンに行ってきたので、その時の写真を振り返りたいと思います。
Gare d’Austerlitzから出発
旅の始まりはGare d’Austerlitz(パリ・オーステルリッツ駅)からです。パリ・オーステルリッツ駅はTGVの発着はなく、TERやIntercitésがメインの駅です。アクセスについてはメトロの5番線・10番線の駅があるほか、Gare de Lyon(パリ・リヨン駅)から徒歩10分くらいの距離にあります。パリ北駅や東駅に比べるとこじんまりとした印象の駅です。
Gare d’Austerlitzでは現在再開発が進行中で、家族や若者、学生向けの集合住宅やホテルなどができる予定のようです。近くにはパリ植物園もあるので環境としては良さそうですね。
Orléans駅到着
Gare d’AusterlitzからOrléans駅までは約1時間です。Orléans駅はかなり大きめの駅でトラムやバスなどへの乗換えができます。
Orléans駅から南へ電車通りを歩いて行きます。この通りは自動車の進入が制限されたトランジットモールになっています。
電車通りを進むとジャンヌダルクの銅像にたどり着きます。ここはテラス付きのカフェも多くとても賑わっていました。
暑熱対策か、つる植物を茂らせるための鉢がいくつか置いてありましたが、もうちょっと茂っても良さそうな感じでした。
サンクロワ大聖堂
銅像のある広場から10分くらいあるくと、Orléans のシンボルであるサンクロワ大聖堂に着きます。
ジャンヌ・ダルクの生涯を表現したステンドグラスがあることで有名です。
Orléans の2本のトラム
Orléans は都市中心部の自動車の渋滞解消のためにトラムを導入したことでも知られています。現在A線とB線の2本のトラムが走っています。チケットは電停にある券売機で購入できるほか、クレジットカードのタッチ決済、Apple pay, Google pay にも対応しているようでした。
Orléans では自動車が中心市街地に流入することで渋滞や騒音、大気汚染等が問題となりました。自治体による調査や計画策定、住民からの意見聴取等を通して、2000年に今のA線が開業しました。
参考文献:「フランスにおける都市圏交通計画(PDU)の 策定 ・運用実態に関する研究 ―オル レアン都市圏を例に―」(板谷、原田 2004)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalip1984/21/0/21_0_41/_pdf/-char/ja
その後2012年に開通したB線ですが、A線との大きな違いがあります。それは一部区間でAPS(路面給電方式)が採用されており、電線が存在しないことです。APSは、普通のレールの間に第三のレールが敷設してあり、そこから電車に給電する仕組みです。それにより街のシンボルである大聖堂が、中心部の通りからスッキリ見えるようになっています。
参考文献:「路面電車からLRTへの流れと新たな技術による展開」(山内 2013)
https://www.iatss.or.jp/entry_img/37-3-08.pdf
歩車共存にむけて
街の中心部への車の流入を制限し、トラムの新設を選択したOrléans ですが、なかなか日本ではみたことないようなタイプの電停がありました。
Royale-Châtelet の電停は下の写真のように、道路空間が①トラムのレール部分(赤囲い)②車道部分(青囲い)③歩道部分(建物の地階部分、緑囲い)の3つに分かれている場所に設置されています。
そのため歩行者がトラムに乗車するためには車道部分に立ち入って乗り込む必要があります。
そこでこの電停では、電停と車道が重複する始点部に踏切のようなゲートが設置されており、トラムが電停に停車している間、自動車が電停に進入できないような仕組みになっています。
なお、歩道部分には信号機があり、トラムの停車中のみ青信号になり、歩行者に車道部への進入を許可しています。
歩行者と自動車、トラムを都市空間で共存させる手法としてとても面白いですね。
日本とのつながり
中心部の一角に姉妹都市の方向と距離が書かれたプレートが設置されていました。その中には「UTSUNOMIYA」の表記が!
宇都宮市とオルレアン市は1989年に姉妹都市として提携を開始しました。奇しくも宇都宮でも2023年に、路面電車としては日本では75年ぶりにLRTが新規開業しました。
まとめ
振り返るとトラムの話ばっかりでしたが、美術館やジャンヌダルクの家など、観光スポットも充実しておりとても満足度の高い滞在でした。パリに滞在した際は日帰り旅行で足を伸ばしてはいかがでしょうか?
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