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エッセイなんぞを書いてみました

『コロナコロナと日本中が大騒ぎしている。連日のコロナのニュースや SNS は、3 密、3 密って、毎日、耳に目にその言葉が入ってくる。
私が働く職場は超 3 密だ。ハッキリ言って怖い。でも、他に仕事が無いから仕方がない。忙しさで怖さを誤魔化している。
症状が出ないだけで、ひょっとしたら自分も感染しているかもしれない。
だとしたら、道ですれ違う人、電車に乗っている人にうつしているかもしれない。ごめんなさい、でも、働かないと生きていけないのも分かって! 

その日も超 3 密の職場で働き、心と身体が疲れた。帰り、スーパーに寄って晩御飯の材料を買った。あ、そうだ、今日はお昼が安く済んだから、ちょっと贅沢できるかな?栄養をたっぷり取ればコロナに感染しないし。
どうするかな?そうだ!今日の晩御飯は、豚肉たっぷりの肉じゃがにしよう!
レジは間隔を取って並ぶようになっていたから、長蛇の列になっていた。レジの人、なんか、ピリピリしている。並んでいるお客さんも中々進まない列にイライラしている。クレジットカード払いのお客さん、なんかレジの人と揉めている。並んでいる人たち、さらにイライラしている。私の前に立つ爺さんが舌打ちした。
ようやく自分の番だ。
あ!失敗した!スーパーを出た瞬間、初めて気づいた。私のアパートは 200 メートルはあろうか急な坂のてっぺんにある。ジャガイモ、重い。スーパーの袋が持つ手に食い込む。
疲れているのに。いつも、私は、こうだ。後先を考えずに動いてしまう。 

いつもの道を歩き、あの坂に差し掛かった。はぁ~、この坂、嫌だなぁ。重いジャガイモを持ちゆっくりと坂を上る。今のアパートに引っ越しを決めたのは、この坂のてっぺんから見る街の風景が気に入ったからだったけど、こういう時は辛い。
空が真っ赤に染まっている。黄昏時だ。日が暮れるの、だいぶ、遅くなったなぁ。
坂の途中に小さな公園がある。そこで、ちょっと休もうかな。
公園が見えた。誰もいない。いや、ベンチに人影が。見てみると、中学生ぐらいの男女が俯いて座っている。ちょっと気になったのと疲れたこともあって、もっとゆっくりと歩いた。
あの 2 人、手を繋いで座っている。真っ赤な空が 2 人を赤く染めている。3 密と大騒ぎする世間、他に誰もいない公園のベンチに座り寄り添い手をつなぐ 2 人。 

あれ?足元を見ると知らない間にネコがいた。
ネコは私の顔を見上げて「あのベンチは俺の寝場所なんだけど…しょーがねーなぁ、今日は違う場所で寝てやるか、まったく」と静かに回れ右して去っていった。
なんか、疲れた心が、ちょっとだけほっこりした。あとちょっと頑張れば休みだ。私は、重いジャガイモを持って家に急いだ。
あ!砂糖、買うの、忘れた!私は、いつも、これだ』

あ、ちょっと、こっ恥ずかしいからツイッターには出さないでおこう、そうしよう。

#コロナ #エッセイ #コロナウイルス #3密

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