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蓮ノ空1stツアーでの『残陽』変化のまとめの話

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ1stライブツアーは沢山の思い出と沢山の衝動、沢山の感謝を私たちにもたらし、3都市6公演を終えました。
その中で、一際印象深い曲があります。
残陽です。

梢センパイが花帆ちゃんをバックハグすることで観客を混乱と興奮に巻き込んだ、残陽の話です。

今回のnoteでは、残陽の変化をまとめながら、あれこれ考察…というか妄想をやってみようと思います。あくまで個人の感想ですので、ご了承ください。


ライブまでの残陽

残陽は、夏めきペインに収録されたスリーズブーケの曲です。初めての公開(試聴)は2023年8月20日のみらくら待機ラジオ内でした。
「梢センパイ、もしかしてやらかされてしまったのですか…」と当時思った記憶があります。

そしてその後評判になり、夏めきペインの試聴動画が 8月の30日に公開、 CD の発売が9月20日。
そして同日、リンクラで実装されました。

(歌詞はこちらでご確認ください)

リンクラでの残陽アイコン。別れていく足跡が話題になりました

ライブでの残陽(全体)

ここからはライブでの残陽の話になります。まず、パンフレットでの踏み込んだ言及がある歌が残陽です。
中身は全て言いませんが、梢センパイ約の花宮さんが「ハッピーエンドじゃない」と言った旨の発言をしています。
「新しい世界観を見せたい」というコメントも同時にされていました。
ここまで音源を聞いていた私たちは、残陽というものをいろんな風に、それぞれ解釈していました。
2人が別れてしまう歌 だとか、湿度が高い歌だとかです。
バッドエンドの歌なのか、と。

ツアーが始まって、私たちが知ったのは「回を経るに従って変化する歌の解釈そのもの」であり、
「歌自体が振り付けによって変化する新しい文脈の作り方」でした。

それぞれの公演での残陽

残陽は、計5回披露されています。
福岡Day1、東京公演両日、愛知公演両日です。

残陽の大きな変化は福岡、東京、愛知Day1、Day2の計4回発生しています。

福岡→東京→愛知でのセトリ的な残陽

ツアー最初の地、福岡公演のDay1。
残業は15番目のMirage Voyageの後、眩耀夜行→青春の輪郭、 その後に披露されました。流れとしては7月FesLIVEの後、という場所です。
ですので、衣装としては眩耀夜行の衣装で残陽を披露した(演じた)ということになります。

そしてほぼ1ヶ月ぶりとなった東京公演では、セトリや幕間映像などの大幅な見直しが入っていました。(特に幕間、ド!ド!ド!のあとにみらくらぱーく!のパフォーマンスが入るようになった)

東京公演での残陽はDay1は水彩世界、Day2はReflection in the mirrorの後に披露されていました。

つまり東京公演では、水彩世界の衣装で残陽を演じていたということになります。水彩世界はスリーズブーケ2人の初めての歌であり、ここで一段、文脈が変わったことがわかります。
Day2では水彩世界の衣装でReflection in the mirrorを歌い、その後の残陽ということになりました 。両方とも鏡や壁的なものを殴って割ろうとする振付が印象的な歌ですね。

東京公演の1週間後に行われた愛知(追加)公演。
この2箇所のセットリストというのは、比較的よく似ています。
残陽がこのツアーの常連、もしくは定番なのではと我々が最初のイントロを聞いて思った頃。
東京公演のDay1の残陽は明らかに違いがありました。

……抱きしめられた花帆ちゃんの表情が違う。

ライブが回数を重ねると、アレンジがついたり、歌い方にのびが感じられるなど、そういった経験をしたことがある方は多いはずです。
しかし、そういった種類のものではありませんでした。なぜなら、東京公演Day2でもほぼ同じ表情で披露されたからです。
下は記憶を頼りに描いたものです。上が福岡 下が東京での残陽です。

残陽、福岡と東京でこれくらい違う気がした(ように見えた)

東京公演での花帆ちゃんは笑っていたんです。
抱きしめられて、目を閉じて、回された手を掴んで。
個人的なその時の感想は「ようやく、待ってた」と思っている気がした、です。

ちなみに、配信、現地でモニターに映っていたカメラのアングルは、東京公演までは”先輩の表情は見えても 花帆ちゃんの表情が見えない”つまり梢センパイにしか花帆ちゃんの表情がわからないという状態になっていました。

愛知公演での残陽

さて、そしてついにツアーものこり2公演となりました。
ここにきて、残陽は新たな姿を1日ごとに現します。
下記は記憶とアーカイブを頼りに描いたものです。

ハグが特徴的な違いではあるものの、東京公演Day2ではその後の表情も注目

1日目
これまでのバックハグから、花帆ちゃんが梢センパイを振り返って見つめ合うようになりました。
また、曲の終わりの振り返るシーンでも、2人の表情がよく見えるアングルに変わりました。
2人の表情は晴れ晴れとしていて、その時あっと思ったんです。

これ、もうバッドエンドじゃないよと。

2日目(ツアー最終日)
そして、最終日の残陽では、これまでのバックハグではなく、 梢センパイの花帆ちゃんへの顎クイから、正面のハグという変化を遂げました。
バックハグというある種の遠慮や恐れといったものが、こちらを見て欲しいと(見ても良いんだと分かったから)あごをくいっと持ち上げて見つめ合った後の、正面からのハグになったのです。また、このあとの2人の表情はとても希望に満ちていて、笑顔に満ちている、そんな印象を受けました。出来ればアーカイブが見られるうちに見てください。
これは、自信というよりは2人の信頼にちかいのではないかと、ふと思いました。

文脈が進む残陽の変化、その存在

ここからは、考察というよりも妄想に近いかもしれませんが、もともとこのnoteはそういうものですので申し上げます。
もともと、ライブを参加する側はセットリストで驚きであるとか、ときめきを期待する傾向があるのではないでしょうか。セトリ予想って楽しいですよね。
東京公演と1週間違いの追加公演である愛知公演のセトリはよく似ていることはすでに記載していますが、そんな中で、曲の感じ方自体が変わっていく曲があったらどうでしょうか。

はじめてその場で見る人は「おお!」とその時の新鮮な感想を感じることが出来るでしょう。
そして、何度か見ているような人にとって、今回はどうなってるだろう、というドキドキを胸に、その日の公演に臨むことが出来るでしょう。

もちろん、ツアーというものは、演者さんの気持ちが乗っていくことによって、雰囲気が変わって、前よりもパワーを感じる…そういったことはよくあります。
コンディションによってパワーが増していく公演です。

だとしたら、キャラクターの気持ちが変化していく曲、というのは一体どういう曲なんでしょう。

今回のツアーは、アンコール前のキャラのMCを参考にするなら、FesLIVEの振り返りであるという一面と、途中のMCのなさからキャラクターを極力表に出した”蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ”らしいライブでありました。

一番最初に残陽はバッドエンドの歌だと記載しましたが、確かに一番最初に我々が聞いた残陽は、バッドエンドでした。
リンクラに実装された時のアイコンも、これはバッドエンドだろうと、そういう曲なんだろうと、おそらくかなりの人が思ってたはずです。
福岡、東京、愛知の3都市6公演で、2人の関係性を、歌詞を変えずに、演技を変えることによって、最新の、リアルタイムの2人にとっては、もうバッドエンドではないぞと感情を伝えてきたのが、この残陽をという曲の仕組みだと思います。

現地、配信、アーカイブで参加して来た私たちと、この公演そのものに、文脈が確かに生まれた歌だったのではないでしょうか。

リアルタイムで、パフォーマンスの中で、ふたりの関係性が変化していくのを私たちは目撃したのかもしれません。

最後に、乙宗梢センパイ役の花宮さんのポストを引用させていただきます。

最高でした。


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