天気の子の感想

2019/8/13のふせったー

天気の子を観た。数多のネタバレを回避してようやく、コミケ参加後に観た。

個人的に、コミケのようなオタクの祭典に身を浸した後は(準備期間=原稿期間が今回長かった…)、社会性を摂取しなくては盆明けの日常に帰れる気がしない。傍から見てあからさまにオタクであろうと、多少のバランスはとりたいと思っているので…そういう大人になってしまっているので。
というわけで、全然オタクじゃない知人と観たわけ。

終わって第一声はこれ。
オタク「劇場で観た方が絶対いい映画だったね」
非オタ「うん、すごくよかった」

オタクである私は、ゼロ年世代のエロゲを楽しんだ世代。
当時の『エロゲあるある』は『大変都合のいい設定』と言い換えてもいいと思う。例えば、なんでか都会に家出してきた童貞。訳アリ美少女。勘のいい兄弟。胸の大きいお姉さん(とても好き)、やたらと草臥れた大人ってやつを語る役目っぽいオッサン。
この作品はフィクションだ。リアルに、ドチャクソエモエモに背景が描かれているし、実際の新宿がガッツガツ出てくる(よく通りかかるあの新宿の高架…YUNIKAVISION…)し、なんとなく地続き感があるけど、人が空を飛ぶアニメ作品だ。

ゼロ年世代のセカイ系を今更――?というのは簡単だけど、つまるところセカイ系を乱発しすぎて飽き飽きさせたのも”これまでの”世代の功罪だ。(パンフにもあるように、この物語は生きるにつれてどんどん選択肢の幅がなくなって息苦しい人と、これからなんかいいことないかもしれないけどまだあるかもしれないじゃん!と思う人の立場では、全然内容が違う物語だ)2000年生まれはもう19歳。主人公二人より年上。つまりセカイ系を今更??って思う人はもっとオッサン。そう我こそはオッサンだ。

オッサンから見たら「いやほだか帰れよ」とか「少年法バリアマジつええな」とか思ってしまうんだけど、この作品をティーンの少年少女が観たら、ええやん、こんな風に細やかでもすごい力で何かできるかな?僕は私はこんな風に選べるかな?って思うんじゃないか、と。正しく、映画を観て多少の希望をもって帰れる作品なんじゃないかと。

なぜか。
それは、この作品の持つ『説得力』がすごいから。
ゼロ年世代のエロゲと一番の違いは、オタクじゃない人が観ようぜってなる作品としての存在感と、その上でドッカンドッカン注入される映像美。そして、歌。
オッサンの私でも、物すっごいいいタイミングで入ってくる曲と、歌声と、青い空と、エモい主人公たちのシーンで泣いてしまったわけです。
こまけえことはいいから感じろよ!!!!!!!みたいな力強さ。(君の名は。で歌詞付きの曲が挿入されることに不思議な感じを抱いていたオタクがですよ!)こんなの、デートムービーとして観ちゃったら、そりゃあ隣りにいる恋人とか伴侶と手の一つでもつないで帰ろうと思うよ…。

みんなセカイ系好きじゃんって。
…セカイ系って名前を付けて、あの時信じた希望を思い出を箱に入れてしまいこんでたことを思い出させるというか。
ていうかね、自分が生きていくうえで、自分の立っている場所を意識せずに、起きた事象に何一つ縁を感じることもなく、生きていくことなんてやっぱり無理なんだよ。

そういう気づきを得たのでした。
特別な何かになれるんじゃないかって気持ちをもらうティーンと、何ものにもなれはしないけど、それはそれでよかったよって思うオッサンたちがいていいんじゃないかな。

それにしてもほだかマジで家帰れよ。銃刀法違反ヤバすぎやろ。
凪先輩主人公の女装エロゲとか見たくない?
観たいわ~。何なら夏美さんとくっついてほしいわ~

このブログめっちゃ好き
PS2版天気の子を俺たちは遊んだことが有る気がしてならないんだ。 - セラミックロケッツ! http://cr.hatenablog.com/entry/2019/07/23/000034

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