読んだ後に手を洗いたくなるほどの恐怖を感じたいなら「14歳」
ビックコミックスピリッツを5歳から読んでいたのは教育上どうなんでしょう。こんばんは。つぼたピリカラです。
楳図かずお先生の訃報に接し、ああ、先生の漫画は漂流教室くらいしか読んだことがなかったな…。と思っていたのですが、ニュースで先生の作品がチラ、と映し出されたときに、物凄い勢いである漫画の記憶が蘇り、そしてその漫画は小学校低学年当時の私が恐怖で怯えつつも大好きだったことを思い出しました。
私の漫画記憶の中に鮮明にその漫画の数コマが残っているのですが、何せ小学校低学年頃の記憶でそのコマの恐ろしさ以外タイトルすら思い出せなかったこの漫画。確かビックコミックのどれかに連載されていて、SFぽくて、鳥人間みたいの出て、宇宙船も出たか…?それで絵柄が楳図かずお風だったような…
「ビックコミック 鳥 SF ホラー」で検索したらあっさりgoogleの最上位に出ました。
「14歳」…楳図かずお風どころかご本人様の漫画でした。
さっそく読み返したらストーリー思い出しました。そして今も鮮明に思い出せる一コマは第一話でした。ホラーとか全然怖いと思わないタイプなのですが、この「14歳」の中でチキン製造会社の従業員がチキン・ジョージを床下の水槽?に隠しておいて、そこから片手で持ち上げるシーン。
怖すぎ。
漂流教室を読んでも同じなのですが、楳図かずお先生の漫画って、キャラの表情と吹き出しの形状がものすごく切羽詰まった感じを演出していて読んでいくうちに緊張感が高まるんですよね。
決して怖くないシーンでも、読んでるこちらの心拍音がどんどん高くなるんです。そこで怖いシーンが来るともうだめです。恐怖で心臓が飛び出そうになる。
それがホラー的怖さではなくて、不気味を極めたような怖さなんです。これ本当に誉め言葉なんですけど、読んだ後にその漫画を触っていたことで手から全身に毒が回るんじゃないか?と思う怖さ。その漫画の世界観が指先からジワジワ浸透してくるような恐怖。
これ伝わるかな?
漂流教室読んだあとも、そういえば何回も手を洗ったな。あの漫画の世界に自分も漂流しちゃうんじゃないかって思って。それくらい楳図かずお先生の漫画って気迫と圧を感じるんです。
紙の向こうから引きずり込まれそうな感覚を味わいたい人、14歳、読んでみてね。こればっかりは紙で読んでほしいな――――。漂流教室も超怖いよ!