大犬子犬のお話
おおいぬ座、こいぬ座はオリオンの猟犬だったというお話をしましたね。
もうひとつ別のお話も、実はあるんです。
今日はそのお話をしようかと。
ある所に狩りの名人のアクタイオンという青年がいました。アクタイオンは毎日猟犬を連れて森へ入り、獲物を仕留めてました。
ある日、いつものように狩りをしていたアクタイオンは、獲物を追って森の深くまで入ってしまい迷子になってしまいました。
どうしようかと思っているうちにあたりは暗くなり、猟犬達ともはぐれてしまい、途方にくれてしばらくとぼとぼと歩いてました。しかし出口も猟犬達も見つかりません。
何時間歩いたでしょうか。アクタイオンは、森の奥が光っているのを見つけました。誰かが野営しているのかも、助けて貰おうと光の方に向かう事にしました。
しばらく歩くと、辺りが開けて美しい泉の畔が現れました。
そこには美しい女神様が裸で水浴びをしていました。
気配でアクタイオンに気づいた女神様は裸を見られたと人々に言いふらされる!と思い、怒って泉の水をすくい上げ、アクタイオンにかけました。
アクタイオンはびっくりしました。
びっくりしているうちにみるみるとアクタイオンは一頭の鹿に変わってしまいました。
自分が鹿になったのを見て、驚いてもう一度女神様の方を見ると、もう女神様は消えてしまってました。
アクタイオンは来た時よりもさらに途方に暮れ、また森の中をとぼとぼとさまよってました。
やがて、また辺りが開けてはぐれていた猟犬達と再開しました。
「良かった、どうか助けておくれ」
猟犬達にかけた言葉は鳴き声となって響き渡るだけでした。猟犬達は獲物を見つけたと、牙を向いて襲いかかってきます。
アクタイオンはとうとう息絶えてしまいました。
獲物を仕留めた猟犬達は、主人に褒めて貰いたくてアクタイオンを待ちます。来る日も来る日もアクタイオンを探しますが一向に戻ってきません。可哀想に思って見ていた神様が猟犬達を星座にしてあげました。
それがおおいぬ座、こいぬ座だと言われています。
この他にもいくつかおおいぬ座こいぬ座にまつわるお話があります。
また機会がありましたらお話しますね。
それでは、おやすみなさい。
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